米検察、ファーウェイ絡みの詐欺容疑で中国人大学教授を起訴

[9日 ロイター] – 米検察当局は、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)のためにカリフォルニアの企業から技術を取得する目的で詐欺を働いた疑いで、中国人の大学教授を起訴した。

裁判所の資料によると、中国のアモイ大学の准教授でテキサス州の大学の客員教授に昨秋就任した毛波氏は、8月14日にテキサス州で逮捕され、その後保釈された。8月28日にニューヨーク・ブルックリンの連邦地裁で開かれた公判の罪状認否では、通信詐欺の容疑について無罪を主張した。

訴状によると、毛氏はカリフォルニアのIT企業から、学術的な研究目的で回路基板を取得することで合意していた。ただ、匿名の中国通信企業がこの技術を盗もうとたくらみ、毛氏がこの計画に加担したと検察側は主張している。関係筋によると、この中国企業はファーウェイで、裁判所の資料にも、この訴訟がファーウェイに関連していると記されている。

毛氏は、ファーウェイとカリフォルニア州シリコンバレーの新興企業CNEXラボズの間で今年6月まで争われた民事訴訟で名前が登場していた。

ファーウェイは2017年12月にCNEXと元職員に対し、企業秘密を盗んだとして訴訟を提起。CNEXも対抗してファーウェイを提訴し、毛氏が研究プロジェクトのために求めた回路基板を送付したところ、ファーウェイに関連する研究に使われたと主張していた。

両訴訟とも損害賠償請求は認められずに6月に結審したが、検察当局はCNEXの民事訴訟に絡み毛氏を起訴することを決めた。検察はこれとは別に、ファーウェイを銀行詐欺や米国の対イラン制裁違反の疑いで起訴している。

ファーウェイの広報担当者は、毛氏自身はCNEXに提訴されておらず、民事訴訟で証言台に立ったこともないのに、米国は同氏を起訴したと指摘。米政府による「差別的な訴追」の最新の一例だと批判した。

毛氏の公判は11日に開かれる予定。

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