アングル:日米通商交渉、自動車関税など主な争点

[東京 19日 ロイター] – 日米両首脳は25日にも会談し、日米通商交渉の大枠合意を受けた文書に署名する見通しとなった。トランプ米大統領は関税障壁などで合意に達したことを明らかにし、協定を結ぶ意向を議会に通知。一方、日本政府は「まだ合意に至っていない」との立場だ。

日米交渉について、これまで明らかになっている内容や争点は以下の通り。

<自動車に対する追加関税>

最大の争点の一つと言えるのは、日本車に対する追加関税を確実に回避できるかどうか。仮に米政府が通商拡大法232条に基づいて日本から輸出する自動車に25%の高関税を課した場合、日本の自動車業界に大きな打撃が及ぶことになる。

茂木敏充外相はこの点について、「交渉の最終的な段階でも、日本の自動車への追加関税を行わないということはきちんと確認しておくと考えている」と繰り返し述べている。

8月25日の原則合意の時点で、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は農業、工業、デジタル分野がカバーされると明らかにした。日本側が撤廃を求めていた日本車への関税は維持された。

<牛肉や豚肉>

牛肉に関しては、先行して関税が段階的に下がっている環太平洋連携協定(TPP)の参加国と同等の関税水準を、即座に実現するよう米国は求めているという。

トランプ大統領にとっては、来年の大統領選を前に農業分野で日本から一定の譲歩を引き出したい考え。TPP離脱後、日本市場で不利になっている米食肉関係者は、TPPと同等の関税の早期実現を求めている。

8月の原則合意を受けた会見でライトハイザー代表は、牛肉のほか、豚肉、小麦、乳製品、ワイン、エタノールなどの産品に大きな恩恵をもたらすと述べた。

国内メディアによると、年200トンまでとなっている日本産牛肉の低関税枠が拡大されることで、日本産の米国輸出機会が広がる見通し。

<トウモロコシの輸入>

8月の会見では、トランプ大統領が日本による米国産飼料用トウモロコシの購入に言及した。

しかし、日本側の関係者によると、合意の下では、飼料用トウモロコシの全体量は増えず、年間輸入の3カ月分である275万トンを前倒しで購入するにとどまる。どの程度を輸入するのかは、民間企業が最終決定することになる。

<ワイン・コメ>

報道によると、米国産のワインの輸入関税は、5―7年後をめどに撤廃される見通し。TPPとほぼ同時期に撤廃されることになる。

コメについては、毎日新聞の報道によると、TPPで設定していた米国産のコメの無関税枠(最大で年7万トン)を大幅に縮小する方向で最終調整している。

<為替条項>

麻生太郎副総理兼財務相は17日の閣議後会見で、米国との合意に「為替条項は入らないという理解でいいか」との質問に、「その通りだ」と答えた。

為替条項が盛り込まれれば、急激な円高となった場合に介入が制限され、輸出に依存する日本にとっては打撃となる。

<デジタル貿易>

米国の科学技術当局者によると、デジタル貿易に関する合意は米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の条項が土台となる見通し。

こうした条項は、データの自由な利用促進を目的としており、企業にソースコードの開示を要求する政府の権限は制限される。

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