米司法省は9月30日の記者会見で、中国情報機関の外国代理人を不法に務めたとして、中国出身米国籍の男性1人を起訴したと発表(Photo by Justin Sullivan/Getty Images)

米司法省、スパイ容疑で中国出身の観光ガイドを起訴 犯行現場の様子も公開

米司法省は9月30日の記者会見で、中国国家安全省(MSS)に米の国家機密情報を渡した疑いで、中国出身で現在米国籍の男を起訴したと発表した。司法省は、男と米の2重スパイが情報取引を行う現場の様子の写った動画を公開した。

起訴状によると、男(56)は観光ガイド業を営む彭学華(Xuehua Peng 音訳、英語名 Edward Peng)で、カリフォルニア州在住。MSS幹部の指示の下で、男はデッド・ドロップ(Dead Drop、スパイ工作で、協力者との間で顔を合わさず情報を受け渡す方法)を通じて、米側のスパイに数千ドルの現金を支払い、米国の国家安全機密を収集し、中国当局に渡した。

司法省は、彭が2015年6月から2018年7月まで、少なくとも6回のデッド・ドロップを、サンフランシスコ市やジョージア州コロンバス市のホテルの部屋で実施したとした。1回目は、金銭も情報の取引もなかった「予行演習」だ。毎回、彭は米の2重スパイが部屋に残した情報の入ったSDカードを受け取った後、速やかに北京に渡ったという。

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