ファーウェイCFO逮捕時の問題、引き渡し中止につながらず=加政府

[バンクーバー 2日 ロイター] – 中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]の孟晩舟最高財務責任者(CFO)が昨年12月にカナダ・バンクーバーの空港で逮捕された際の経緯を巡り、カナダ政府の弁護士は2日、誤った対応があったとしても、厳密に捉えた場合のものであり、米国への身柄引き渡し手続きの中止条件を満たすものではないと主張した。

孟氏の弁護団は、逮捕に至る手続きが個人の権利侵害に当たると主張し、カナダ政府に対し電子メールやメモ、その他の記録などの追加提出を求めている。

孟氏側は前週、初回の口頭弁論を終えており、カナダ司法長官の弁護団がこの日、米国の代理として口頭弁論を終了した。

政府の弁護士を務めるジョン・ギブカースリー検事は弁論で、孟氏の弁護団は陰謀説を作り出そうとしていると指摘した。

同検事は、逮捕前日の11月30日に連邦警察である王立カナダ騎馬警察(RCMP)の内部で行われたやりとりは、翌12月1日まで国境サービス庁(CBSA)が関わる行動が計画されていなかったことを示していると主張した。

孟氏の弁護団は前週、RCMPが国境警備当局者と話し合いをした後に孟氏の逮捕計画を変更したとし、変更の理由は不明だと指摘。その結果、孟氏の憲法上の権利が侵害されたと主張していた。

ギブカースリー検事はこれについて、孟氏のバンクーバー空港到着後にCBSAが尋問を行うまで逮捕を遅らせる権限がRCMPにはあったと述べた。

CBSAは裁判所に提出した文書で、孟氏の携帯電話のパスコードを「誤って」RCMPと共有したことを認めた。その上で、RCMPは端末にアクセスせず、今後もアクセスする意図がないことを確認していると強調した。

孟氏の弁護団は3日に反論を行う見通し。

身柄引き渡し審理自体は来年1月に開始する予定。

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