9月30日、トロント市庁舎前に市民団体が集まり、香港の抗議活動への支持を訴え、中国国旗の掲揚式に反対した(伊鈴/大紀元)

カナダの2市政府 中国国旗掲揚式を中止、香港出身市民の猛反発で

カナダのオンタリオ州リッチモンドヒル市とヴォーン市の政府が、それぞれ10月5日と6日に開催予定の中国建国70周年関連イベントを中止したことが分かった。

地元紙ナショナル・ポスト6日付によると、先週末、両市で中国国旗掲揚式が行われる予定だった。しかし、イベント開催直前まで、市民からイベントの中止を求める電話や電子メールが殺到したため、市政府は取りやめを決定した。

カナダの各市政府や自治体は、市民団体に対して、出身国の建国記念日に市庁舎で同国の国旗掲揚を認めている。昨年末、カナダ政府が米政府の要請で中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・最高財務責任者(CFO)を逮捕した後、中国当局はカナダ人の元外交官らを拘束した。カナダの世論は、孟氏の逮捕に対する中国側の報復措置だと認識している。

現在、香港の抗議活動が激化するなか、香港からの移民が多いカナダでは、中国当局への批判が強まっている。

「カナダ・香港連盟」の馮蘭玉氏はナショナル・ポストに対して、「カナダの国民と政府が全体主義の中国当局にいじめられているとき、なぜこのような祝賀イベントを行う必要があるのか疑問に思う」と述べ、「政治家に今、カナダですべきでないことは何かを考えてほしい」とした。

香港の抗議活動を支持する市民団体の責任者は、中国建国を祝うイベントに「多くの香港出身のカナダ人が激怒した」と話した。

カナダ最大都市、トロント市のジョン・トーリー市長は9月30日、同市で行われた中国国旗の掲揚式を欠席した。

(翻訳編集・張哲)

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