米アップル、香港デモ隊使用の地図アプリを削除 規則違反で

[サンフランシスコ 9日 ロイター] – 米アップル<AAPL.O>は9日、香港でデモ隊が警察の動きを把握するために使用してきたアプリを自社のアプリ配信サービス「アップストア」から削除した。同アプリが警察への襲撃に使用され、規則に違反したとしている。

アップルは当初、この地図アプリ「HKmap.live」の配信を認めていなかったが、先週方針転換し、アップストアでダウンロードが可能になっていた。

これを受けて、中国共産党機関紙の人民日報は8日、「有害」なアプリを野放しにしているとアップルを強く非難していた。

アップルは9日の発表文書で、「懸念を抱く香港の多くの顧客」から同アプリに関する問い合わせがあったと説明。アプリの使用について直ちに調査を開始し、法の執行や香港住民を脅かすような使用が判明したとした。

アップルは発表文書の内容以上のコメントは出していない。アプリの開発者は削除について現時点でコメントはないとしている。

香港警察もコメントはないという。

ロイターが確認したところによると、同アプリは全世界でアップストアから削除されたものの、香港ですでにダウンロード済みのユーザーは引き続き利用が可能になっている。ウェブ版もiPhone上で閲覧可能な状態だ。

HKmap.liveの開発者は8日、人民日報の記事が掲載された後の取材では、同アプリについて、「テレグラム」などデモ参加者らが使用している他の公開アプリなどで入手可能な情報を集約しているだけだと語っていた。

10月9日、米アップルは、香港でデモ隊が警察の動きを把握するために使用してきたアプリを自社のアプリ配信サービス「アップストア」から削除した。写真は7日に香港で撮影(2019年 ロイター/SUSANA VERA)
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