香港政府、暴力的活動への新たな対策講じない方針 中国関与を否定

[香港 10日 ロイター] – 香港政府は10日、暴力的抗議活動への対策をこれ以上講じない方針を示した。また、中国本土の治安部隊が香港警察の活動に関与しているとのうわさを否定した。

香港ではこの日、新たな抗議活動の準備が進められる中、複数のショッピングモールは標的とされることを避けるために閉店時間を繰り上げたほか、地下鉄は3時間早く運転を終了した。

ただ、夜までに大規模な抗議活動が行われることはなく、60人余りのデモ隊が警察署の外に集まっただけだった。

香港の張建宗(マシュー・チュン)政務官は10日、林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が16日に立法会(議会)で行う施政方針演説では、暴力的活動への新たな対策は含まれないと説明。

政務官は記者会見で「われわれは抗議活動を取り締まるための新たな措置の発表を、とりわけ施政方針演説において、行う意図はない」と述べた。

また、香港政府は抗議活動ではなく、暴力を止めようとしているだけだと説明。「香港における合法で平和的な抗議活動や集会は香港の風景の一部であり、われわれの基本的価値観をなすものだ」と述べた。

中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案に反発して始まった香港の抗議活動は4カ月続き、ティファニーやスポーツブランドのヴァンズなどが広告を取り下げるなど、世界的な企業に影響を及ぼしている。

香港の小売り部門は抗議活動の影響で深刻な打撃を受けており、香港経済は10年ぶりのリセッション入りが懸念されている。

スポーツの分野では、米プロバスケットボール(NBA)のヒューストン・ロケッツのゼネラルマネジャー(GM)がツイッターに香港の抗議活動を支持する投稿をしたことを受け、週内に中国で行われる試合の放映が取りやめとなった。

米アップル<AAPL.O>は9日、香港でデモ隊が警察の動きを把握するために使用してきた地図アプリ「HKmap.live」を自社のアプリ配信サービス「アップストア」から削除した

これに対し、香港の民主派議員はアップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)に対し、中国の圧力に対抗し、アプリを復活させるよう求める書簡を送った。

アルファベット傘下のグーグル<GOOGL.O>も10日、プレーヤーが香港のデモ参加者の役になれるゲームをアプリストア「グーグルプレイ」から削除したと発表した。慎重な扱いを要する事象を利用することを禁止する方針に沿った決定だと説明。ただ、地図アプリ「HKmap.live」に関しては規定違反はないとし、引き続きグーグルプレイで入手可能だとしている。

香港政府は10日、中国本土の治安部隊は香港警察の活動に加わっていないと説明。中国人民解放軍と本土の警察が香港警察の活動に関与しているとするネット上のうわさを否定した。

人民解放軍は香港に部隊を駐在させているが、抗議活動が始まって以来、部隊は兵舎から出ていない。

林鄭月娥行政長官は中国政府に支援を求める可能性を排除していない。

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