ロシア大統領、12年ぶりにサウジ訪問 中東での影響力拡大誇示

[リヤド 14日 ロイター] – ロシアのプーチン大統領が14日、12年ぶりにサウジアラビアを訪問し、サルマン国王やムハンマド皇太子と会談した。シリアへの軍派遣や中東諸国との関係強化、エネルギー協力などを背景に、中東での影響力拡大を誇示した。

ロシアは2015年にシリアに軍を派遣し、イランとともにシリア内戦でアサド政権を支援することで影響力を拡大してきた。サウジはシリア反体制派を支援してきた。

米国は中東への関与に消極姿勢を示しており、プーチン氏のサウジ訪問前日には、シリア北部から米軍を撤収させると発表。ロシアが後ろ盾となるアサド政権は、対トルコでクルド人勢力と協力することで合意し、クルド人が実効支配するトルコ国境南部に進軍した。

ロシアはさらに、イスラム教スンニ派が多数を占めるサウジと、同国が敵対するシーア派主体のイランの双方と関係を強化してきた。

プーチン大統領とサルマン国王は、両国の関係が中東の安定と安全保障にとって重要だと述べた。

共同投資やシリア、イエメン問題について協議した後、ムハンマド皇太子は、サウジとロシアのエネルギー協力が安定につながるとの見方を示した。

プーチン氏は訪問に先立ち、サウジとイランの緊張緩和に向けて前向きな役割を果たすことが可能だと述べた。9月にサウジ石油施設が攻撃を受けた際には、ロシアの防衛システムをサウジに供給することも提案していた。ロシアのS400ミサイルシステム購入に関するサウジの計画が前進すれば、米政府が反発するのは必至だ。

プーチン大統領の訪問に合わせ、両国はエネルギー、石油化学、輸送、人工知能(AI)などの分野で10以上の覚書に調印した。

ロシア政府系ファンド、ロシア直接投資基金(RDIF)のドミトリエフ総裁は、サウジの国営石油サウジアラムコの新規株式公開(IPO)に多くのロシア人投資家が関心を持っていると述べた。

ロシアのノバク・エネルギー相は、国営ガスプロムが天然ガス分野でのサウジ企業との協力に関心を抱いているとした。

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