ロシア、シリア北部のクルド勢力退去に着手 トルコの作戦終了か

[モスクワ/アンカラ 23日 ロイター] – ロシアとトルコが22日にシリア北部のクルド人勢力の退去で協力することで合意したことを受け、23日はロシア憲兵隊がクルド人勢力の要衝の1つであるコバニに到着した。ロシア政府はクルド人民兵組織「人民防衛部隊(YPG)」に対し、シリア北東部の国境地帯全域から退去しなければ、トルコによる一段の軍事作戦に直面すると警告している。

トルコのエルドアン大統領とロシアのプーチン大統領は前日、ロシア南部ソチで会談し、ロシア軍とシリア軍がシリア北東部のYPGをトルコ国境から30キロシリア側に離れた地点まで退去させ、退去後の「安全地帯」をトルコとロシアが共同で警備することで合意した。

ロシア憲兵隊に続き、シリアのアサド政権の国境警備隊もコバニ入りする。ロシアによると、トルコはコバニに軍を派遣しない。

YPG退去には6日かかるとみられているが、退去後はロシアとトルコがトルコ国境から10キロ以内の地帯を共同で警備する。この地帯には長らく米軍が駐留していた。

ロシアとトルコの前日の合意について、クルド人勢力はまだ反応を示していない。また、クルド人勢力の退去を具体的にどのように進めるかについても明らかになっていない。

トルコ国防省は、軍事作戦を実施した地域からYPGが退去を完了したと米国から報告があったことを明らかにし、現時点では対象外の地域で新たな作戦を展開する必要はないとの見方を示した。これにより、10月9日に始まったトルコによるシリア攻撃は終了した公算が大きい。

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