米議会、香港関連法案の行方不透明に 政権の慎重姿勢などで

[ワシントン 5日 ロイター] – 米議会で、香港の民主化デモを支持し、中国によるデモ弾圧を抑制する法案を推進する動きが数々のハードルに直面し、法案成立の見通しに疑問が生じている。

中国市場に投資する企業を多く抱える州の選出議員が、中国による米企業への報復を懸念しているほか、米中通商協議が重要な局面を迎える中、トランプ政権が香港を巡る問題への対応で慎重姿勢を示しているためだ。

年末が近付く中、迅速な採決を要する重要法案は多く、議会指導部が香港に関する法案を優先するかどうかも不透明になっている。

下院は10月中旬、香港が高度な自治を維持しているかどうか、米政府に毎年検証することを求める「香港人権・民主主義法案」など中国への圧力を強める4つの法案および決議案を可決した。[nL3N2710B7]

上院では委員会が9月に同様の法案を可決したが、法制化に向けて必要となる本会議での採決は予定されていない。

対中強硬派で、法案の提出者の1人である共和党のルビオ上院議員は「超党派の幅広い支持があり、今起きている緊急の問題に関する法案が、なぜ上院本会議にたどり着かないのか」と不満をもらした。

関係筋によると、トランプ大統領は10月11日の劉鶴・中国副首相との会談で、通商協議が進展している限り、香港に関して静観すると伝えたという。ホワイトハウスは、トランプ氏がそのような約束をしたのかや、香港情勢が通商協議を複雑にする可能性を米政権が懸念しているのかとの質問に対し、何ら回答していない。

トランプ氏は、通商協議の「第1段階」の合意について、中国の習近平国家主席との早期署名を目指している。

中国は、香港を巡る米法案に対抗措置を取ると警告しており、農業州や中国への依存度が高い企業を抱える州選出の上院議員らが、法案の手続きを遅らせたり、密かに法案成立の阻止に動く可能性があるとの見方も出ている。

反中姿勢で知られる実業家の黎智英(ジミー・ライ)氏が創設したメディア企業ネクストメディア(壱伝媒)の香港幹部、マーク・サイモン氏は、米議員らとの一連の会合後、上院での法案の行方に悲観的な見方を示した。

同氏によると、多くて9人の上院議員が法案に反対する可能性があるという。

議会では、連邦政府の閉鎖リスクや、トランプ氏の弾劾手続きなど年末にかけて課題が山積しており、共和党のマコネル上院院内総務が香港に関する法案の採決を実施するかも不透明だ。

複数の議会側近によると、上院の国防関連法案や予算法案に香港関連法案を盛り込むことが、こうしたハードルをかわす手段の1つになるという。

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