中国で身柄拘束の作家に言論の自由賞、スウェーデンに中国反発

[ストックホルム/北京 16日 ロイター] – 中国共産党に批判的な本を扱っていた香港の書店経営者で、中国当局に拘束されている作家の桂民海氏にスウェーデンの文化団体が言論の自由をたたえる賞を贈り、表彰式に同国のリンド文化相が出席したことから、中国が猛反発している。

駐スウェーデン中国大使は、リンド文化相が16日の式典に出席すれば、中国への入国を禁じると警告していた。

表彰式に出席したリンド文化相は言論の自由を守る立場を主張。これを受けてストックホルムの中国大使館は同日、同相の式典出席は「重大な過ち」と非難する声明を発表した。中国への入国禁止措置には言及しなかったものの、「間違った行為は悪い結果を招くだけだ」と警告、「犯罪者に賞を贈ることはあからさまな政治的茶番だ」と批判した。

桂氏は中国共産党を批判する書籍を扱っていた香港の書店の経営者で、スウェーデンの国籍も持っている。2015年にタイで失踪。その後、中国での拘束が判明し、2017年10月に釈放されたが、3カ月後に北京に向かう列車の中で再び中国の工作員らによって拘束された。

賞を贈ったのは、言論の自由の擁護を掲げる団体「スウェーデン・ペンクラブ」。表彰式では、そこにいない受賞者を象徴する、誰も座っていない椅子が置かれていた。

スウェーデン外務省は16日、中国は桂民海氏を釈放すべきだというスウェーデンの立場は変わっていないとしたうえで、中国大使による警告について中国当局に問い合わせていることを明らかにした。

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