米国がベトナムに沿岸警備艇1隻を供与、南シナ海で警備能力強化

[ハノイ 20日 ロイター] – 米国は20日、ベトナムに沿岸警備艇1隻を供与すると発表した。南シナ海の領有権を巡って中国との間で緊張が高まるなか、ベトナムの海洋警備能力を強化する狙い。

ベトナムを訪問中のエスパー米国防長官が、ベトナム外交大学での演説で明らかにした。

演説の中で同長官は中国を名指しし、ベトナムなどの近隣諸国を「脅している」と非難。「中国の一方的で違法な領有権の主張は、重要な海洋資源への他の国々のアクセスを脅かし、地域のエネルギー市場の安定を損ない、紛争のリスクを高めている」と指摘した。

米国は2年前にもベトナムに沿岸警備艇を供与しており、今回で2隻目となる。海洋警備能力を強化したベトナムが領有権を主張し、中国をけん制することを期待している。

中国は南シナ海の約9割の領有権を主張しているが、ブルネイ、マレーシア、フィリピン、台湾、ベトナムも部分的に領有権を主張している。

エスパー国防長官はこれより先、ベトナムの防衛省で演説し、「われわれは共同で抑圧と脅しに立ち向かい、大小にかかわらず全ての国の権利を守らなくてはならない」と述べた。

米国はかねてから、中国が南シナ海を軍事拠点化し、資源開発の機会をうかがう近隣諸国を脅そうとしていると非難している。

関連記事
4月23日、チェコ下院議会で法輪功迫害に関する公聴会が開かれた。プラツニク保健副外相は「法輪功学習者に対する臓器収奪は我が国だけでなく、世界中の議会で非難されている。到底容認できない行為だ」と強く述べた。
中国共産党(中共)がロシアに供給する半導体などのハイテク製品のサプライチェーンにおいて、香港が重要なリンクになっていることを示す証拠は大量にある。2022年2月24日、ロシアがウクライナへの本格的な軍事侵攻を開始して以来、香港で「ロシア」を社名に含む新規登録企業が急増した。
4月29日、テキサス大学オースティン校にテントを張っていた親パレスチナ派デモ参加者を、警察当局が逮捕し始めた。
米国とフィリピンが、南シナ海で初めて肩を並べて行った共同軍事演習の最中、4月30日に中共の海警船が、同海域でフィリピンの船舶に再度危険な干渉を行(おこな)った。中共は以前から、南シナ海でフィリピンの船舶に対して干渉を繰り返し、国際社会から批判を受けている。
今年11月に迫る米大統領選で勝利した場合、トランプ氏は数百万人の不法移民の強制送還や中国製品の関税強化、議会議事堂事件で起訴された人々の恩赦を行うと米誌タイムのインタビューで語った。