神韻芸術団の古韻さん(神韻芸術団ウェブサイトより)

中国舞踊最高学府の卒業生、「神韻が真の中国古典舞踊」

14歳から中国舞踊を習い始めた古韻(グー・ユン)さんは、20歳の時、中国のプロのダンサーや振付師などを育成する最高教育機関、北京舞踏学院(北京ダンス・アカデミー)に入学し、中国古典舞踊を専攻した。中国国内で数々のコンクールで賞を獲得した古韻さんは、現在米ニューヨークに本部を置く神韻芸術団でアーティスト・振付師として活躍している。古さんはこのほど、大紀元時報英語版のインタビューを受け、神韻芸術団の中国古典舞踊が「正真正銘の中国古典舞踊だ」と話した。

古さんは、2003年に中国国内最高レベルの「桃李杯」舞踊コンテストのトリオダンス部門で金賞を勝ち取り、翌年には同コンテストで指導教師に授与する「園丁賞」を獲得。長いプロ人生の中で、古さんは中国国内の舞踊は「本当の中国の舞踊ではない」と日頃から感じていたという。

「北京舞踏学院で習った中国古典舞踊は、ロシアのバレエをもとに発展してきた。数十年前、北京舞踏学院の責任者は、ソ連からバレエ教師を招へいした。中国は昔、代々師匠から弟子へと踊りや演劇を伝承していた。このやり方は大勢のダンサーの育成に適していないため、北京舞踏学院はバレエの伝授方法を中国舞踊に取り入れた。このため、中国舞踊にバレエの要素が取り入れられた」

古さんによると、現在中国では、ダンサーの上半身は中国舞踊の動きになっているが、下半身、「特に足」がバレエの動きになっている。「北京舞踏学院のこの教え方が他の地方の舞踊学校の基礎となり、全国に広まった」

北京舞踏学院で6年間の学習コースを4年間で完了させた古さんだからこそ、「バレエの動きと中国舞踊の動きを区別できる」と言う。「実は北京舞踏学院の先生も、学内で教えている『中国古典舞踊』にバレエの動きがあると分かっている。過去10年間、学校側もこのバレエの要素を取り除くことに取り組んでいた。真の中国古典舞踊を探求していた」

古さんは意外にも、中国ではなく、海の向こうのアメリカで真の中国古典舞踊を見つけた。2009年、アメリカ西部にある舞踊学校で教師として勤めていた古さんは、神韻芸術団の公演を鑑賞した。「神韻公演で観た中国古典舞踊には、バレエの影響は全く見られなかった。正真正銘の中国古典舞踊だ」と感激した古さんは、躊躇なく神韻芸術団への入団を志願し、そして無事合格した。

入団した古さんは、「トレーニングや踊り、振付などに全くバレエの要素を感じさせないから、最初は慣れなかった」と率直に語った。

中国古典舞踊をより理解するために、古さんは中国伝統文化を研究し始めた。「中国古典舞踊では、簡単そうに見える動作をより美しくに表現するには、実はアーティストの内面と関係する。中国伝統文化から得た修養はこの舞踊独自の味となった」

古さんは中国古典舞踊の動きは、中国の武術と大きな関係があると話した。「中国五千年の文化は、文と武が融合する文化だ。武術には、打ち叩くや宙返りなどがあり、古代の戦場で敵を攻撃する際に用いられた。この動作が『文』として宮廷舞踊に取り入れられ、長い間の伝承・変化の過程を経て、今の中国古典舞踊となった」

神韻芸術団は真の中国伝統文化を復帰させることを使命としている。このために、芸術団の振付師は、中国の歴史を深く理解しなければならない。たとえば、各王朝の宮廷の中で行われた天を敬う儀式や、宮中で皇帝や外国の使者に見せた舞踊などを研究する必要がある。同時に、古代から中国の庶民の間で伝わる伝統的な演劇や戯曲の身法(技能)と身韻(内面的な精神、心など)を参考にする必要がある。

古韵さんは、より多くの人が神韻芸術団の公演を鑑賞するよう希望している。

「公演によって、観客は中国の伝統文化をより深く知るようになるし、中国伝統文化について新しい発見ができるだろう」

神韻芸術団は12月20日、2020年世界巡回公演をスタートする。芸術団の7つのグループは来年5月まで、世界160以上の都市で公演ツアーを行う。

日本では、12月25日から来年2月2日まで、名古屋、広島、京都、横浜、東京、さいたま、府中、堺、福岡で公演を開催する予定。

(翻訳編集・張哲)

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