2019年10月2日、ホワイトハウスで記者会見に出席したトランプ米大統領(亦平/大紀元)

米中の第1段階合意、トランプ氏の策略と中国の負け(上)=程暁農氏

米中双方はこのほど、通商交渉が第1段階の原則合意に達したと発表した。多くのメディアは、合意文書の詳細内容や、追加関税の引き下げ、中国側の米農産物購入拡大などという表面的な事象で、両国の勝ち負けを判断している。実に、今回の交渉過程は波乱万丈といっても過言ではない。交渉の結果は「何%の関税」に現れるのではない。中国という「世界の工場」がどれほどの打撃を受け入れられるかを見極めなければならない。筆者は、米中貿易交渉について、「トランプ氏にとって、中国を攻撃しないことが攻撃であり、罰を与えないことが実は罰である。中国共産党にとっては勝つことがまさに負けることを意味する」と心得る。

米中通商協議の起因は二つある。一つ目は、中国共産党政権が長い間、米企業の知的財産権を広範囲に侵害し、技術情報や経済的利益を盗んできたことだ。二つ目は、中国当局は、長年、輸出企業に対して補助金を提供し、輸入を制限して、莫大な対米貿易黒字を得たこと。2018年3月22日、トランプ米大統領は、中国製品に対して追加関税措置の実施を発表した後、米中貿易戦が始まった。同年5月以降、米中両国は通商交渉を始めた。

ウィキペディアには、米中通商協議に関する情報が詳述されている。実に、今までの交渉が紆余曲折した理由は、米国ではなく、中国側にある。交渉の過程において、米側の立場と要求に大きな変化はなかった。しかし、中国側がコロコロと態度を変えたことで、交渉が中断したり、進捗が遅くなったりした。筆者は、2018年5月~2019年12月までの米中交渉を、中国側の態度の変化で7段階に分けた。

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