防護服を着用する医療スタッフ。武漢市金銀潭病院(STR/AFP via Getty Images)

〈新型肺炎〉湖北省、1日10万着の防護服が必要 ネットから感染者過少発表の指摘

中国国家衛生健康委員会の馬暁偉主任は26日の記者会見で、新型コロナウイルスによる肺炎は「感染まん延のスピードが比較的速い。ウイルスの感染力が強まっている」と述べ、「感染状況が深刻化かつ複雑化している」と認めた。一方、中国高官は、湖北省では医療用防護服が不足しており、1日10万着が必要だと明らかにした。ネット上では、新型肺炎の感染状況は当局の公表よりさらに深刻で、当局が依然として実態を隠ぺいしていると非難する声が相次いでいる。

中国工業・情報化省の王江平・次官は同日の記者会見に出席し、湖北省の医療機関や各病院では毎日10万着以上の防護服を必要としていると述べた。これに対して、全国で防護服を生産できる企業は40社しかない。王氏は「毎日3万着しか生産できないのが現状だ。需要に追いつかない」と明かし、マスクなど他の備品も足りないと語った。

武漢市の大型病院の救急外来の担当医師、李氏は中国メディア「澎湃新聞」25日付に対して、使い捨ての医療用防護服を「繰り返し使っていた」と話した。本来、交差感染を避けるために、医師は患者1人に診療を行った後、新しい防護服に着替えなければならないが、病院側から支給される防護服は3着しかないと季医師は語った。また1月23日、救急車専用電話番号「120」の指示で、救急車に乗り、発熱や咳の症状が出た複数の患者の搬送に当たっていた間、防護服を着替えなかったという。

李医師は、防護服の品質が悪く「紙のように薄くて破れる」ため、自身も新型コロナウイルスに感染した可能性があるとして、勤務先の病院に検査を受けたいと申し出た。しかし、「CT報告書、または深刻な発熱の症状がなければ、検査は受けられない」と言われた。他の病院に問い合わせたところ同じ回答を返された。報道によると、李医師は不安に襲われて大泣きしたという。

中国インターネット上には、武漢市の病院の医師らが、患者の急増や物資不足、自身の感染リスクなど、重圧を感じて泣き出す様子が写った動画が投稿されている。一部の医療従事者はSNS上に、支給された防護服は着る前からすでに破れていると投稿した。

ネットユーザーは、王次官の発言について、「湖北省の病院で1日10万着の防護服を必要とするなら、実際の感染者はもっと多くいるはず」と当局に対する根強い不信感をあらわにした。

英米の研究家が23日に発表した研究報告では、公表された武漢市の患者数は全体の5・1%に過ぎず、将来14日間内(2月4日まで)に、同市での感染者は25万人を超えると示された。

(翻訳編集・張哲)

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