新型肺炎、中国以外で感染拡大持続ならWHO緊急事態宣言に=専門家

[ジュネーブ/ロンドン 28日 ロイター] – 公衆衛生の専門家や外交当局者によると、中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎は、世界保健機関(WHO)が国際的な緊急事態を宣言するための大半の基準を満たしているが、WHOは中国国外で持続的な感染拡大の明確な証拠が確認されるまで宣言を見送っている。

中国がウイルスに関する情報を引き続き共有するよう取り計らう必要性と、ウイルスのリスクについて国際社会に適切な科学的助言を行う必要性のバランスをWHOは取ろうとしているという。

WHOが国際的な緊急事態を宣言したのは、アフリカのコンゴ民主共和国などで流行が続いているエボラ出血熱など、過去10年で5例ある。

緊急事態宣言は航空便のキャンセルや渡航・貿易制限につながる可能性があり、当事国の経済に打撃を及ぼしかねない。

今回の新型コロナウイルスについて、WHOは23日、「国際的な公衆衛生上の緊急事態と判断するには時期尚早」との判断を下し、緊急事態の宣言を見送った。ただ、緊急委員会の意見は半々に分かれた。

WHOの動向を把握しているジュネーブの外交当局者は「中国国外での死者や人から人への感染がなかったため、WHOは国際的な緊急事態宣言に至らなかった」との見方を示した。

WHO報道官は国際的な緊急事態の基準について、他国に影響を及ぼし、国際的な協調対応が必要となる可能性のある「深刻もしくは異例」の状況、という条件が含まれると説明。「中国国外で『猛威』を振るっているわけではない」と述べた。

現時点で感染者の大半や死者の全員は中国国内にとどまっているが、ドイツ、ベトナム、台湾、日本では人から人への感染が確認され、警戒感が強まっている。

米ジョージタウン大学法学部のローレンス・ゴスティン教授は「情報が入ってくるにしたがい、最も恐れている状況が確認されつつあるようだ」と指摘。「WHOは緊急事態を宣言せざるを得なくなるだろう。WHOが対応を主導する必要が出てくる。中国に任せることはできない」と述べた。

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