ホワイトハウス国家貿易委員会ピーター・ナバロ委員長(GettyImages)

<新型肺炎>世界経済へ影響 政策リーダーら懸念表明 米国は関税継続

中国の新型コロナウイルスによる肺炎の感染は急速に拡大している。金融政策立案者は、世界的な流行が世界経済に脅威を与える可能性があると、懸念を表明した。

日本銀行の雨宮正佳副総裁は1月30日、世界経済への新型コロナウイルスの影響を評価する際、世界経済における中国のシェアから見る必要があると述べた。世界の株式市場は同日に下落した。

29日、米国連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が開いた記者会見では、新型コロナウイルスの発生について「中国経済が減速すると、近隣諸国や中国と活発な経済貿易関係を持つ西ヨーロッパ諸国は深刻な影響を受けるだろう」

パウエル氏はまた、流行により世界的な不確実性が高まり、米国株式市場のわずかな上昇も突然止むことがあると述べた。

日本の安倍首相は国会答弁で、経済の影響に懸念を表明した。観光産業を含む日本経済への影響を注視しているとした。

中国社会科学院の経済アナリストのチャン・ミン氏は、感染症の流行で、2020年第1四半期の中国国内総生産(GDP)成長率が約5.0%になる可能性があり、5.0%を下回る可能性さえ排除できないと推計している。

日本銀行の雨宮正佳副総裁をはじめとする一部のエコノミストは、世界経済における中国の影響は、2002~03年のSARS流行時よりも大きいことに関心を向けている。

中国で事業を展開している大手のグローバル企業は、一時的に中国事業を停止または縮小している。トヨタとフォードは、少なくとも2月9日まで現地工場の生産停止を決めた。スターバックスは2000店舗に閉店措置を取った。農業複合企業カーギルは、従業員に在宅勤務を命じた。アップルとグーグルの中国事務所も営業を停止している。

いっぽう、米国トランプ政権は、中国経済が新型コロナウイルスの感染拡大により打撃を受けても、米国が対中関税を撤廃することはないという。ホワイトハウス国家貿易委員会ピーター・ナバロ委員長はCNBC30日付のインタビューで答えた。

「ウォール街で広まった噂に過ぎない」とナバロ氏は関税撤廃の話を一蹴した。「なぜ米国が中国に関税をかけることになったのか、忘れてはならない」と付け加えた。

ナバロ氏は、米中貿易において、中国企業には不当な国の補助金が大量に与えられているため、米国は対中関税を引き上げる必要があると強調した。また、両国は、第2段階の貿易交渉を確かに始めると述べた。

(翻訳編集・佐渡道世)

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