新型ウイルス感染地域をアプリで追跡 中国で利用広がる

[深セン(中国) 3日 ロイター] – 新型コロナウイルスによる肺炎が拡大する中国で、市民は感染を避けるため、公式に感染が確認された患者が居住する地域を地図上に表示するアプリを活用している。

通信アプリ「微信(ウェイシン)」の外部開発者が提供するサービス「YiKuang」は、中国南部広東省の深センと広州を対象に感染地域を表示。量城科技はこの2都市のほか、広東省の他の9都市を対象とするアプリを提供している。両アプリとも、感染が確認された患者が居住する地域に関する公式な情報に基づいている。

深セン市在勤のエープリルという女性は「深センでは数日内に大流行が起きるかもしれないが、政府のデータが出てくるのは遅い」と指摘。「この地図をみると安心感を得られる。新たな感染例が出ないという保証はないが、既に感染例が出ている地域は避けられる」と述べた。

深センで確認されたコロナウイルスの感染例は3日時点で245人と急速に増えており、中国の他の主要都市(北京、上海、広州)を上回っている。

量城科技の袁曉輝・最高経営責任者(CEO)は「情報を地図上に示すことで、感染地域がどのように広がっているかを市民が感覚的に理解できるようにし、適切な予防を促したかった」と述べた。

同氏によると、最新の情報に基づく地図を提供できるように、ボランティアの助けも得ているという。

YiKuangもボランティアから情報を得ている。当初は感染が確認された患者が居住する地域にどくろマークをつけていたが、微信の利用者からクレームがあったため、感嘆符に変更した。

国営放送CCTVと人民日報もまた、感染者が利用したバス、電車、飛行機を追跡できる別のアプリを推奨している。

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