シリア政権軍、反体制派の拠点アレッポの大部分を制圧

[アンマン/ベイルート/アンカラ 16日 ロイター] – シリアのアサド政権軍は16日、反体制派の拠点である同国北西部アレッポ県に進攻し、その大部分を制圧した。国営メディアが伝えた。シリア北西部での緊張激化を受け、トルコとロシアは17日に協議を開く見通し。

シリアの反体制派を支援するトルコは、アサド政権軍の北西部イドリブ県での攻撃で過去2週間に自国の兵士13人が殺害されたことに憤慨し、同政権軍を支援するロシアに攻撃を停止するよう要請。月末までに政権軍がイドリブなどから撤退しなければ、軍事力を行使して政権軍を追い払うと警告している。

ロシア軍の戦闘機は16日にアレッポで激しい空爆を実施。アレッポの都市アナダンはその後、イランを後ろ盾とする民兵組織の支援を受けているシリア軍部隊によって制圧された。反体制派軍の関係筋によると、反体制派の兵士らは同地域から撤退した。

人権団体「シリア人権監視団」(英国)の幹部、ラミ・アブドルラーマン氏は「アサド政権軍は、これまで8年間、1つの村さえも制圧できなかった地域をたった1日で掌握した」と指摘。政権軍は同地域で急速に軍を前進させていると述べた。

トルコのチャブシオール外相は16日、前日にロシア外相に対し、イドリブでの進攻を停止するよう訴え、恒久的な停戦を呼び掛けたと明らかにした。訪問先の独ミュンヘンで記者団に語った。

そのうえで、17日にモスクワで両国の当局者らが協議を開くと明らかにした。

また、ミュンヘンで開かれた安全保障会議で米国の議員らと面会したと述べ、米政府はトルコとの関係改善に力を尽くすべきだと語った。

一方、米ホワイトハウスは16日、トランプ大統領とトルコのエルドアン大統領が15日に電話会談したと発表。トランプ氏はイドリブでの衝突に懸念を示し、人道上の大惨事阻止に向けたトルコの取り組みに謝意を表明したという。また、ロシアがアサド政権への支援を停止し、衝突が政治解決されることに期待感を示した。

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