新型ウイルス、SARSよりインフルに近い広がり方か=研究者

[シカゴ 19日 ロイター] – 新型コロナウイルスに感染した患者を調査した中国の研究者の報告で、新型ウイルスには重症急性呼吸器症候群(SARS)など類似のウイルスよりも、インフルエンザに近い特徴があることが分かった。当初の想定より容易に感染が広がる可能性があることを示唆する結果となった。

中国広東省の研究者らが19日、米臨床医学誌「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」で論文を発表した。

新型ウイルスに感染した患者18人の鼻と喉から採取した検体を調査したところ、少なくとも1人の患者は、ウイルスが確認されたにもかかわらず症状はなく、無症状の患者からの感染を巡る懸念を裏付ける格好となった。

また、SARSでは下気道の深い部分で感染が起き、肺炎の原因となるが、新型ウイルスは上気道と下気道のいずれにも存在し、肺炎を引き起こすだけでなく、インフルエンザや風邪のように容易に広がる可能性があるという。

研究者らは患者18人のウイルスの量を調べた。1人は鼻と喉に中程度の量のウイルスが確認されたが、症状は全くなかった。

<ウイルスの量、無症状の患者と症状のある患者は同じ程度>

症状があった残りの17人については、症状が最初に出てから間もなくウイルスが増加し、喉より鼻に多く存在することが分かった。これはSARSよりインフルエンザに近い特徴という。

また、無症状の患者のウイルスの量は、熱などの症状のある患者と同様だったという。

米メイヨー・クリニックのウイルス・ワクチン研究者グレゴリー・ポーランド氏は、研究結果について「新型ウイルスが上気道から飛散する可能性があり、無症状の人から飛散していることを示すものだ」と述べた。

また、スクリップス・リサーチの免疫学者クリスチャン・アンダーセン氏は、新型ウイルスが遺伝学的にSARSに類似しながら、感染の広がり方はインフルエンザにより近いことを裏付ける結果だと指摘した。

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