イタリアの新型肺炎対応策は強力、イラン訪問は遅延=WHO

[ジュネーブ 25日 ロイター] – 世界保健機関(WHO)は25日、新型コロナウイルスの感染が急増しているイタリアについて、人から人への感染阻止に注力しており、拡大防止に向けた適切な措置を取っていると述べた。

イタリアではこの日、ロンバルディア州で新たに40人、同州と隣接するベネト州でも9人の感染が確認され、国内での感染者は280人を超えた。死者も7人に上り、欧州では最も被害が大きい。

WHOのリンドマイアー報道官によると、WHOは同日、ローマでイタリア当局者と対応策について協議した。

また、「WHOの専門家は臨床管理、感染予防・制御、監視、リスク伝達の分野で支援を提供している。現時点では、さらなる人から人への感染を抑制することに注力している」との声明を発表。さらに、異なる地域で複数の集団感染が見られ、これまでのデータによると、感染者5人のうち4人は症状が全くないか軽度だと説明した。

リンドマイアー報道官は「イタリア政府や地方政府による措置は非常に強力で、ウイルス抑制を支援しているようだ」とも述べた。

一方、25日と発表されていたWHOによるイラン訪問は遅れていると指摘。出発時期は未定だという。イランのWHO事務所が当局と連絡を取り合っているとした。

イラン保健当局はこの日、新たに2人が死亡し、国内の死者が計15人になったと発表。国営メディアはその後、新たに1人が死亡したと報じており、死者は16人に達したとみられる。中国国外では最悪の死者数。感染者は35人増加し、計95人になった。前日には感染疑い例が900人前後に達しているとしていた。

またリンドマイアー報道官は、前日にテドロス事務局長が「パンデミック(世界的な大流行)」と宣言するのは時期尚早との認識を示したことについて、「パンデミックは多数の地域での感染拡大と発生源以外の多くの国で抑制できないほどの感染拡大が必要になる」と説明した。

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