中国、「挑発的」空軍演習や偽ニュースで台湾に圧力=関係筋

[台北 3日 ロイター] – 新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、中国が「挑発的」な空軍演習を台湾近辺で行ったり、混乱を招くために新型コロナウイルスに関する偽ニュースを拡散したりして、台湾への圧力を強めている。台湾の安全保障当局者らが明らかにした。

先月、中国空軍が台湾近隣で演習を行っているとの報告が3件あったが、うち2件で台湾空軍の戦闘機がスクランブル発進したという。

2人の関係者によると、1件では中国戦闘機がレーダーで台湾機をロックオンした。こうした行為は、戦闘時にはミサイル発射に先駆けて行われるものだ。関係者の1人は「これは中国による非常に挑発的な行動だ」と述べた。

台湾空軍は、この件は認識していなかったが、台湾近隣での中国軍の動きは把握しているとした。

中国国防省にコメントを求めたが、回答はない。

また、台湾の呉外交部長(外相)は先月29日、新型ウイルスを巡り中国が偽ニュースを使ったサイバー戦争を仕掛けていると指摘した。

偽ニュースには、台湾が新型ウイルスの感染者や死亡者の本当の数を隠しているといったものや、蔡英文総統が感染したという内容のものが含まれており、台湾当局は即座に否定した。

台湾当局は、これまでに42人が感染し、1人が死亡したと公式に発表している。

ネットへの投稿には、中国でのみ使われる表現や、台湾では使われていない簡体字などを使ったものが多くあるという。

中国の台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室はロイターに宛てた文書で、台湾の与党・民主進歩党(民進党)は、中国が偽ニュースを流していると非難することで「うそ」を拡散しており、中台間の憎悪をあおっていると主張。「民進党はウイルスを政治的に操作し続けている」とした。

*内容を追加しました。

関連記事
中国共産党(中共)がロシアに供給する半導体などのハイテク製品のサプライチェーンにおいて、香港が重要なリンクになっていることを示す証拠は大量にある。2022年2月24日、ロシアがウクライナへの本格的な軍事侵攻を開始して以来、香港で「ロシア」を社名に含む新規登録企業が急増した。
4月29日、テキサス大学オースティン校にテントを張っていた親パレスチナ派デモ参加者を、警察当局が逮捕し始めた。
米国とフィリピンが、南シナ海で初めて肩を並べて行った共同軍事演習の最中、4月30日に中共の海警船が、同海域でフィリピンの船舶に再度危険な干渉を行(おこな)った。中共は以前から、南シナ海でフィリピンの船舶に対して干渉を繰り返し、国際社会から批判を受けている。
今年11月に迫る米大統領選で勝利した場合、トランプ氏は数百万人の不法移民の強制送還や中国製品の関税強化、議会議事堂事件で起訴された人々の恩赦を行うと米誌タイムのインタビューで語った。
米国連邦大法院で、ドナルド・トランプ前大統領に対して一定レベルの免責特権は適用可能かもしれないという前向きな解釈が出た。これは、任期中に適用された容疑に関して「絶対的な免責特権」を要求していたトランプ側の主張に対して懐疑的だった従来の立場から少し緩和されたものだ。