世銀、新型肺炎対応に120億ドルの支援 「迅速な対応不可欠」

[ワシントン 3日 ロイター] – 世界銀行は3日、新型コロナウイルスの感染拡大で影響を受けている国に対し、総額120億ドルの支援を直ちに実施すると発表した。

マルパス世銀総裁は、新型ウイルスについて「未知な部分が多い」とし、「より多くの支援」が必要になる可能性があると指摘。感染者の命を救うために広範で迅速な対応が必要不可欠になっているとし、各国に対し地域的、国際的な調整を行うよう呼び掛けた。

多くの国からすでに支援の要請を受けていることを明らかにしたが、具体的な国名を挙げることは控えた。

マルパス総裁は電話会見で「各国の目下の資金需要に応じると同時に危機の影響を軽減するため、第1弾として最大120億ドルの支援策を発表する」と述べ、「迅速な対応が鍵であり、人命を救うにはスピードが必要だ」と強調した。

また「はるかに多くのリソースが必要になり得るシナリオもある」とし、「必要に応じて方針とリソースを調整する」と述べた。

医療制度の弱い貧困国が最も脆弱(ぜいじゃく)だとしたうえで、エボラ出血熱など過去の事例を踏まえると、適切な措置を迅速に講じることで感染拡大を抑制し、人命を救うことが可能だと指摘。

低利融資などを通じた120億ドルの支援策により、発展途上国は医療サービスの提供や感染状況の監視、公衆衛生上の対応を改善できるとともに、民間と連携することで経済への影響を緩和できるとした。

当局者によると、120億ドルのうち約40億ドルは世銀の他のプログラムから振り向ける。

マルパス総裁はまた、貿易を一段と制限するような措置をとらないようくぎを刺した。

世銀によると、各国が感染抑制に必要な物資の調達を急ぐ中、世銀グループの国際金融公社(IFC)が貿易金融や運転資金枠の拡大に向けて商業銀行と連携する。

IFCは医療機器や医薬品など戦略的セクターの企業とも協力し、サプライチェーンの機能維持や下振れリスク抑制に取り組む。  

*内容を追加しました。

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