米軍、タリバンに空爆 和平合意の先行き不透明に

[カブール 4日 ロイター] – アフガニスタン駐留米軍は4日、南部ヘルマンド州で反政府武装勢力タリバンへの空爆を行った。米国とタリバンは先月29日に和平合意に署名したばかり。米国の空爆は合意後初となる。合意履行の先行きを巡り不透明感が高まっている。

和平合意を巡っては、タリバン捕虜解放に関する部分について、アフガンのガニ大統領とタリバンが対立。タリバンがアフガン政府側への攻勢を強めたため、空爆を行ったと米国は説明している。

米軍当局者はツイッター上で、タリバン側はアフガン治安部隊の検問所を積極的に攻撃しており、攻撃を中断させるための措置だと説明。米国は和平合意履行に引き続き取り組んでいるが、必要ならアフガンの部隊を守ると述べた。

ガニ大統領は、和平合意に盛り込まれたタリバンの捕虜最大5000人を解放するという部分について、タリバンとの協議で議題にすることを求めている。一方タリバンは、捕虜が解放されてから初めて和平協議に臨むと主張している。

協議が先延ばしになれば、和平合意が崩壊する恐れがあるとの懸念が出ている。

一方、米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は4日、米議会公聴会で「攻撃は続いているが小規模なもので、全て撃退されている」と述べ、和平の前進を強調した。

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