<中共肺炎>「私たちの暮らしは蜜よりも甘い」常軌を逸した共産党プロパガンダに大顰蹙

中国で最近、習近平指導部を称える報道が相次いでいる。229日付け中国共産党機関紙「人民日報」は「私たちの暮らしは蜜よりも甘い」と題した記事を掲載し、黒龍江省の農民、82歳の尤桂蘭さんが自宅を訪れた習主席を出迎え、「暮らしが蜜よりも甘い」と感激した様子を報じた。

中央宣伝部などは今月初め、習指導部の中共肺炎(新型肺炎)への対応を称える本『大国戦「疫」』を緊急出版した。

武漢の都市封鎖はすでに1カ月以上続いている。多くの市民が不便な生活を強いられており、家族を失う者の悲しみがまだ癒えていない今、共産党賛美のこの動きは中国で大顰蹙(ひんしゅく)を買い、

『大国戦「疫」』は数日後に販売中止となった。

パンデミックの恐れが高まる中、習氏の礼賛本を出版

『大国戦 「疫」』の第一章では、習主席の「領袖の決断」への称賛に多くの紙幅を割いたほか、習氏の指示と演説内容を引用し、この戦いにおける最高指導者の役割を強調した。

国営メディアは「本書は中国共産党の指導者と中国の特色ある社会主義制度の顕著な優位性を明らかに示した」と持ち上げた。

本が出版された直後、「(流行が)収まっていないのに、もう功績を讃えるのか」「恥知らずの極み」などと怒りの声が噴出した。結局、発売から数日で売り場からすべて撤去された。

北京市民、宣伝部トップを告発

北京市民で北京大学法学部出身の薛扶民氏は、ネット上で実名の告発文を発表し、『大国戦「疫」』や「私たちの生活は蜜より甘い」などのプロパガンダを展開している中国共産党イデオロギー・宣伝を担当する王滬寧氏に辞任を要求した。

薛氏は告発文で、王滬寧氏が「基本的倫理と社会的良識に反している」「ひたすら『戦績』を吹聴したことで、共産党と中国が嘲笑の的となった」と批判し、「ウイルスを世界に蔓延させたことに謝罪すべきだ」と主張し、同氏の辞任を求めた。この告発が瞬く間に拡散され、話題になった。

北京の独立作家・王蔵本氏は3月4日、ラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材で、

薛氏の勇気を称賛し、「私たちは再度、独裁政権のプロパガンダが天理人性に背反することを認識することができた。疫病の惨烈さや苦難に満ちた命の悲劇が、多くの人を目覚めさせている」と述べた。

RFAの取材に応じた米ニューヨーク都市大学政治学科の夏明教授は「習近平政権は、新型肺炎が政権発足以来、最大の危機だと表現している。王滬寧氏は性急なプロパガンダを展開した」と分析した。

最強のネット検閲が到来 ネット上は「良いニュース」だけ

中国当局は露骨な政治宣伝活動を行う一方、潜在的な脅威とされる「マイナスの声」を必死に押さえている。

武漢の現状を外部に発信したことで、北京の弁護士の陳秋実氏や武漢市民の方斌氏、中央テレビの元キャスターの李澤華氏などの市民ジャーナリストが相次いで拘束された。

中国政府は3月1日、インターネット規制をさらに厳しくする「ネット情報コンテンツ環境管理規定」を施行した。

「この日から、毎日、良いニュースしか出てこなくなった」などのコメントが寄せられた。

(翻訳編集:王君宜)

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