独保健相、国民に外出自粛を要請 感染拡大抑制が「優先課題」

[ベルリン 8日 ロイター] – ドイツのシュパーン保健相は8日、国内の新型コロナウイルス感染拡大を抑えることが優先課題だと指摘し、大型イベントの中止のほか、国民に不要不急の外出を控えるよう呼び掛けた。同国の8日午後時点の感染者数は902人と、イタリアの約6000人を大幅に下回るが、独西部の1つの自治体の感染者が392人と顕著に多い。

シュパーン氏はツイッターへの投稿で「われわれの優先課題は感染拡大を鈍らせることだ」と表明。「感染拡大ペースが遅ければ遅いほど、医療制度でより適切な対応が可能になる」とした。

欧州ではドイツの感染者数はイタリア、フランスに次いで3番目に多い。

シュパーン氏は、参加者が1000人以上のイベントは中止すべきとし、イベント中止の経済的悪影響をどのように軽減するかについては今後協議が行われる見通しだとした。

ドイツの連邦制度の下では、保健相は個別のイベントの中止を命ずる権限はないが、州政府は通常、連邦政府の対応に追随する。

シュパーン氏はまた、国民に対し「今後3カ月間の日々の生活で」不要不急の外出を控えるよう訴えた。

ドイツでは既に、複数のイベントが中止になっている。同国のサッカーリーグは声明を出し、地元当局や各チームと最も適切な対応について協議していると説明。サッカーシーズン閉幕まで試合を続ける必要があるとしたが、どのような形で行うかは明らかにしなかった。

ドイツの与党、キリスト教民主同盟(CDU)は4月25日の党大会で党首選を行い、メルケル首相の後継を選ぶ予定となっており、新型ウイルス対応で開催が難しくなる可能性がある。

CDU筋はロイターに、党大会は外部からの参加者を招かない形で決行するだろうと述べた。場所の選定ではベルリン当局と緊密に連携する見通しだとした。

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