イタリア、コロナ対策強化 スーパーや薬局除く全店舗閉鎖へ

[ローマ 11日 ロイター] – イタリアのコンテ首相は11日、国民向けのテレビ演説を行い、新型コロナウイルス対策を強化すると発表、バー、レストラン、美容院などに業務停止を命じた。

首相は、スーパーマーケット、食料品店、薬局を除くすべての店舗が閉鎖されると表明。企業に対しても、必要不可欠ではない部門の業務停止を求めた。

社員食堂については、顧客と少なくとも1メートル以上の距離をとれる場合は、営業継続を認める。

首相官邸によると、今回の対策は12日から25日まで実施する。

列車や都市部の公共交通機関の運行は継続する。配管・機械関連業務やガソリンスタンドなど必要不可欠と考えられるサービスも継続する。

こうした対策は、イタリア経済に大きな影響を及ぼすとみられる。コンテ首相は新型コロナ関連の経済対策として250億ユーロ(283億ドル)を拠出すると表明。1週間前は75億ユーロしか見込んでいなかった。

グアルティエリ経済・財務相は、今年の経済成長が「大幅なマイナス」になる可能性を警告。

11日に発表された経済対策を踏まえると、今年のイタリアの財政赤字は、欧州連合(EU)が定めた上限である国内総生産(GDP)比3%を確実に上回るとみられる。

イタリア政府は9日、感染者が多い北部地域に適用していた移動制限を全土に拡大すると発表。不必要な移動や集会を4月3日まで見送るよう求めていた。

<新型コロナ死者827人 感染者1.2万人>

イタリア市民保護局は11日、新型コロナウイルスの感染による死者が過去24時間で196人増え、計827人になったと発表した。増加数は国内感染が初めて確認された2月21日以降で最多となる。

新型コロナの感染者は2313人増の1万2462人。これまでに感染が確認された患者のうち1045人が完治した。集中治療室(ICU)で治療を受けている患者は1028人。

*見出しと内容を更新しました。

 

イタリアのコンテ首相は11日、国民向けのテレビ演説を行い、新型コロナウイルス対策を強化すると発表、バー、レストラン、美容院などに業務停止を命じた。写真はローマ市内を歩くマスク姿の女性(2020年 ロイター/Yara Nardi)

 

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