IMF専務理事、協調的な財政・金融刺激を呼び掛け 新型コロナで

[ワシントン 16日 ロイター] – 国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は16日、新型コロナウイルスの感染拡大で経済に長期的な影響が及ばないよう、各国政府に対し協調的な財政・金融政策を実施するよう呼び掛けた。

専務理事はIMFのウェブサイトに掲載したブログメッセージで、追加的に約20カ国がIMFの資金プログラムに関心を示していることを明らかにした。

具体的な国名は挙げなかったものの、IMFは向こう数日間で対応すると表明。IMFには総額1兆ドルの融資能力があり、加盟189カ国に対し利用する用意があるとし、「新型ウイルスの感染拡大に伴い、世界レベルの協調的な財政刺激策を同時に実施する必要性は刻一刻と高まっている」と述べた。

その上で、2008─09年の世界的な金融危機時と同等の規模の協調的な財政措置が必要になる可能性があると指摘。09年だけで20カ国・地域(G20)は国内総生産(GDP)の2%に相当する刺激策を実施したことに言及し、現在の価値にして約9000億ドルに相当するため、「まだなすべきことは多く残っている」と述べた。

また、金融政策の面では米連邦準備理事会(FRB)が取った措置を例に挙げ、各国中銀は金融情勢の逼迫化を防ぎ、実体経済への信用の流れを確保することにより、需要を支え、信頼感を高める必要があるとの見解を示した。

FRB、欧州中央銀行(ECB)、日銀を含む6中銀は15日、ドル・スワップ協定を通じた流動性供給を拡充すると発表。ゲオルギエワ専務理事はこうした措置は評価できるとし、将来的には新興国に対してもスワップ協定を拡大する必要が出てくると述べた。

また、中銀の政策措置は新興国市場からの資本の流出とコモディティー(商品)価格への衝撃などへの対応を迫られる難しいものになるとし、「現在のような危機的な状況にある時は、 外国為替市場への介入のほか、資本規制により、金利措置やその他の金融政策措置の補完が可能になる」と指摘。「今回の危機で先の金融危機を受け導入された(資本要件などの)措置が効果を発揮するかが試される」との考えを示した。

その上で、すべての財政、金融、規制措置は「協調的に実施された時に最大の効果を発揮する」と指摘。IMFの調査でも財政措置で各国が協調した時に乗数効果があることが確認されていると述べた。

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