伊首相、欧州復興債を提唱 ESM活用には否定的見解=伊紙

[ミラノ 28日 ロイター] – イタリアのコンテ首相は、新型コロナウイルス対策の資金調達を目的とする欧州連合(EU)による「復興債」発行を提唱し、EUが対応に失敗すれば「悲劇的な過ち」になると述べた。28日のイタリア紙「ソレ24オレ」のインタビューで語った。

コンテ首相は、欧州の復興や、域内経済の支援に向けた再投資計画を推進するには、共同債が必要だと訴えた。

共同債の代わりに、ユーロ圏の救済基金である欧州安定メカニズム(ESM)を活用し、一定の条件付きで加盟国政府に低利で資金を融通しても、適切な対応とは言えないとの見方を示した。

「ESMは非対称なショックが原因の財政問題に直面する加盟国を助けるために創設された」が、新型コロナは欧州全体にショックをもたらしていると指摘。

「欧州にこの歴史的困難に立ち向かう能力がないと判明すれば、市民にとって、欧州統合そのものの意義が失われる恐れがある」とした。

また、欧州復興債を発行しても、各国はそれぞれの公的債務について責任を持ち続けると強調した。

EU首脳は26日、新型コロナ感染拡大を受けた経済対策についてテレビ会議で協議したが、財政規律を重視する北部勢と財政が困窮する南欧勢との意見の隔たりが埋まらず、結論は持ち越しとなった。[nL4N2BJ5RL]

イタリアでは新型コロナ感染による死者が世界最多に上っており、政府は4月に景気対策第2弾を発表する準備を進めている。規模は、3月に打ち出した第1弾の250億ユーロ(280億ドル)を上回るとみられる。

コンテ首相は2本の景気対策は合計で500億ユーロを上回ると認め、「イタリアの債務は完全に持続可能だ」と強調した。

補正予算によって2020年の財政赤字は国内総生産(GDP)比で4%を超えることが確実で、昨年9月に掲げた目標の2.2%や前年の1.6%を大きく上回る。

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