マレーシア医療手袋大手、世界的な「コロナ需要」で深刻な人手不足

[クアラルンプール 1日 ロイター] – 世界最大の医療用手袋メーカーであるマレーシアのトップ・グローブ・コープ<TPGC.KL>が、深刻な人手不足に苦慮している。米国などで新型コロナウイルスの感染が拡大して医療用防護用品が不足し、需要が大幅に増加しているためだ。

同社は1日、ここ数週間で注文が2倍となっており、最大700人を早急に採用する必要があるとロイターに明かした。

同社はすでに、増大する需要に対応しきれないと表明している。また、採用が思うように進まなければ、生産ラインの迅速な増強も一段と困難になる恐れがあるとしている。

1カ月余りにわたるマレーシアの封鎖で、最大の人材供給源のネパールなどからの入国が難しくなっていることも採用の妨げとなっている。

リム・ウィー・チャイ会長は、「年初から人手が不足していたが、移動制限措置の発動で、現在はさらに状況は深刻だ。需要の急増で、いまは特に梱包と品質保証を迅速化して製品を速やかに出荷するため、未熟練労働者を必要としている」と述べた。

規制は4月半ばまで継続する予定だが、同社は先月300人をかろうじて採用。人材派遣会社にさらに積極的な人員確保を求めている。また、現在はマレーシア人をより多く採用するようになり、対話アプリ「ワッツアップ」のビデオ通話を通じて面接を行なっている。

同社の従業員は1万8000人で、3カ国に44工場を展開している。年間の生産能力は738億組だが、世界的な不足を踏まえ増強したいと考えている。 

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