【紀元曙光】2020年4月12日
医療崩壊を絶対に起こさせない。この砦を死守するために、私たちは今、万難を耐え忍んでいる。
▼とは言え、その当事者のご苦労を思うと、誠に辛い。不要不急の外出を自粛せよ、は百も承知である。感染拡大防止のため、業種によっては、自分の店を休業せざるを得ない。もとよりお客さんが街にいないのだから、経費をかけて店を開けるのも赤字覚悟となる。行くも止まるも針の山であろう。
▼観光業も凍りついている。別の「需要」が増えることを想定して、大手ホテルが軽症患者を収容する施設に名乗りを上げてくれたことは、その費用を公費でまかなうことも含めて、当然かも知れないが、日本の対応を高く評価したい。中国ならば、警察ぐるみで、法外な金を部屋の使用者に請求するところだ。
▼しかし、観光地のホテルや旅館は困窮している。観光客が全く来ないのだ。東京に住む筆者は、奈良に、なじみの民宿がある。築90年の古民家を改造した味のある宿で、小さいお子さん二人をもつ若い夫婦が経営している。今年で11年目となるそうだが、聞けば開業以来、最大の危機を迎えているという。
▼今回のことで、やむを得ず廃業を決めた同業者も多いそうだ。ただ、なじみのお客様のために、なんとか継続する方法を探っていきたいと、筆者が出したメールの返信に書かれていた。筆者だけでなく、多くのなじみ客から励ましの言葉があったそうで、「涙が出るほど嬉しい」とつづられていた。
▼せめて私たちは、言葉をかけ合おう。3密はダメなので、直接でなくていい。我ら、ともに苦難を乗り越える同胞なのだ。
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