【紀元曙光】2020年4月18日

東京都の昨日の中共ウイルス感染者数は201人。初めて2百を超えた。日本の他の地域でも、油断ならない情況が続いている。
▼それでも、日本だからこの数字でとどまっているのだろう、と小欄の筆者は思っている。かろうじて大爆発はしていないが、暗闇で炭火が熾っているような、不気味な熱を感じざるを得ない。「次のニューヨークになる」と言われた東京だが、まさに土俵際で、懸命に踏みとどまっているのだ。
▼この戦いが相当な長期戦になることは、安倍首相や小池都知事が言うまでもなく、明らかであろう。医療崩壊を起こさせないことが至上の課題だが、国民が長期戦に耐えうる生活基盤を固めることも疎かにできない。
▼日本の首相は国民に要請やお願いをする、というより、そうするしかない。すると日本国民は、自ら意識を高めて、それにふさわしい行動をとる。強制力がなくても社会秩序を保てるとは、世界でも、こんな国は珍しかろう。
▼ただ、私たちは忘れまい。そこには、じっと耐え忍ぶ、日本人ならではの「苦しみ」があるのだ。事情はそれぞれ異なるが、社会の全ての仕組みが、今とんでもないことになっている。この春から就職するはずの人が、待機ならまだしも、企業側の都合で採用取り消しにされるケースも多いと聞く。
▼筆者も、この東京にいる。どこにも逃げはしない。油断は禁物なので、行動は十分注意するが、同時に、後日の楽しみも考えている。この国難が去り、安全が確認されたら、読者諸氏はまず何をされるだろう。筆者は、そう、上野の鈴本へ行って落語を聴くことにしている。