EU各国、封鎖解除時に国境開放を 季節労働者の越境で=高官

[ブリュッセル 17日 ロイター] – 欧州連合(EU)のシュミット委員(雇用・社会的権利担当)は17日、新型コロナウイルスに対応するロックダウン(都市封鎖)を徐々に解除し経済を再開させるに当たり、国境を越える労働者や季節労働者の入国を可能にするため各国が国境制限を緩和する必要があると述べた。

欧州委員会は3月、加盟国に対して新たな指針を公表した。医療や食品などの必要不可欠な部門における労働者が国境を越えられるようにすることを促した。EUでは150万人が自国以外で働いている。

シュミット氏はロイターのインタビューに、多くの国が当初国境を閉鎖した後、状況は改善したと述べた。ただ問題は残るという。ドイツを念頭に「ルクセンブルクの東の隣国は、同国への検問所をいくつか閉鎖した。つまり入国する人は別の検問所に行くために25ー30キロメートル移動する必要がある」と指摘した。

シュミット氏は、衛生管理の重要性は理解していると述べた上で、釣り合いの取れた国境規制が必要だとし、他国に住む労働者を差別するべきでないと主張した。

「出口戦略の新たな段階にいる現在、企業は事業を再開している。職場が位置する国に住んでいる人が出勤でき、国境を超える人が出勤できない事態は認められない」と述べた。

シュミット氏は、欧州委員会がEU各国の政府と解決策を協議していると話した。必要不可欠な職種に分類されている農場で働く季節労働者が、国境を越え作物の植え付けや収穫ができる方法などを模索している。労働者を受け入れる国の国民は、東欧に多い季節労働者の技能を持ち合わせてないことが多い。

ドイツには4月と5月に最大8万人の季節労働者が入国する予定。ただ欧州全域では、何十万人もの季節労働者が必要とされている。

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