米豪首脳が電話会談、新型コロナに関する国際的調査について議論

[シドニー 22日 ロイター] – オーストラリアのモリソン首相は、トランプ米大統領やドイツのメルケル首相、フランスのマクロン大統領と電話で会談し、新型コロナウイルスの感染拡大に関する国際的な調査への支持を求めた。豪政府が22日、明らかにした。

オーストラリアが新型コロナウイルスの発生源や、世界保健機関(WHO)の対応も含め、感染の拡大に関する独立した調査を呼び掛けていることに対し、中国は猛反発している。

新型コロナウイルスは昨年末、中国・湖北省の省都武漢の市場で発生したとされている。

モリソン首相はツイッターで、トランプ大統領と両国の新型コロナへの対応および経済を再開させる必要性について「極めて建設的な議論をした」と明らかにした。「WHOに加え、感染症の流行に対する国際的な対応の透明性と効果を向上させるための協力についても話した」としている。

豪首相府によると、モリソン首相はメルケル独首相、マクロン仏大統領とも電話会談を行った。

米政府は新型コロナへの対応を巡り中国やWHOを厳しく批判しており、トランプ大統領は先週、WHOへの資金拠出を当面の間停止すると表明した。

オーストラリアでは重鎮議員らも最近、感染が最初に始まった中国の情報開示の透明性に疑問を呈し、トランプ米大統領と同様に新型コロナウイルスの発生源の調査を呼び掛けている。

中国はこれに対し、議員らが米国をまねて中国に政治攻撃を仕掛けていると反論した。

キャンベラにある中国大使館は21日夜に出した声明で、オーストラリアの議員らはトランプ氏の代弁者となっていると批判。

「米国で政府高官を含む一部の人々が最近、反中国の『情報ウイルス』を拡散していることはよく知られている」とした上で、「最近は一部のオーストラリアの政治家がこうした米国人をまねて、同様の主張をし、中国に政治的な攻撃を仕掛けている」との見解を示した。

オーストラリアと中国は互いに主要な貿易相手国だが、ここ数年はオーストラリアが中国による内政干渉に懸念を示すなど、関係が冷え込んでいる。

フライデンバーグ豪財務相はオーストラリア放送協会(ABC)に対し、オーストラリアは「中国と商業レベルでは良好な関係」を維持しており、豪雇用もこれに依存していると述べた。

豪議員らに対する中国側の批判については「不必要で不当だ」と述べた。

*内容を追加しました。

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