国連事務総長、コロナ口実にした抑圧リスクに警鐘

[ニューヨーク 23日 ロイター] – 国連のグテレス事務総長は23日、新型コロナウイルス流行を口実として関係のない抑圧的な措置を一部の国が採用する可能性があるとして、今回のパンデミック(世界的な大流行)が人権への危機につながるリスクに警鐘を鳴らした。

事務総長は人権に関連する国連報告書を公表。その上で、ウイルスは差別しないが、その影響は差別をすると付け加えた。

事務総長は「われわれは特定のコミュニティーに対する不均衡な影響、ヘイトスピーチの増加、社会的弱者を標的とすること、高圧的な治安対応リスクが衛生対応を損なっているのを目にしている」と述べた。

報告書は移民や難民、国内避難民が特に脆弱だと指摘。131カ国以上が国境を閉鎖しており、亡命希望者に対して適用除外を認めているのは30カ国にとどまるとした。

事務総長は「一部の国におけるエスノナショナリズム、ポピュリズム(大衆迎合主義)、権威主義の高まりや人権への反対を背景に、今回の危機はパンデミックと関係のない目的で抑圧的な措置を採用するための口実となりかねない」と指摘。「これは受け入れられない」と述べた。

国連はこうした措置の具体例を挙げなかった。

事務総長は各国政府に対し、透明性と対応を向上させ、説明責任を果たすよう求めるとともに、市民の空間と報道の自由が「重要」だと強調。「脅威はウイルスであり、人々ではない」と訴えた。

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