米、強制送還前の一部移民に新型コロナ検査実施へ=当局者

[ワシントン/ニューヨーク 23日 ロイター] – 米政府は施設に収容している不法移民を強制送還する前に新型コロナウイルス検査を実施する方針だ。事情に詳しい当局者が23日、明らかにした。グアテマラやハイチ、メキシコなど中南米の国々に送還された移民に感染が続出していることが理由。

同当局者によると、米移民税関捜査局(ICE)は米厚生省から検査キットを1カ月当たり2000個調達し、強制送還者の検査を行う。ただ、全送還者に十分な検査キットは確保できない見通しのため、優先順位をつける必要があるという。

ICEと厚生省はコメントの求めに応じていない。

米国からの強制送還者の新型コロナ感染を巡っては、外国政府から抗議の声が上がっていた。同当局者は、グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ハイチ、ジャマイカ、エクアドルといった中南米諸国が検査の実施を求めてきたと明かした。

グアテマラは、米国からの送還者の多数に新型コロナの陽性反応が出たのを受け、受け入れを停止すると表明。 アレハンドロ・ジャマテイ大統領は、23日時点で少なくとも85人の送還者が感染しており、国内で確認されている感染者の5分の1程度を占めていると述べた。

米当局者は、航空機による強制送還への協力を停止する国がさらに出ないよう、ICEが検査強化を決めたと説明した。

米国内の施設で収容されている移民のうち、250人以上に新型コロナの陽性反応が出ている。ただ、ICEの報道官は22日、全米に収容されている移民が3万2000人以上いるのに対し、検査数は約425件にとどまっていると明らかにした。

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