米英、新型コロナ対応巡るハッキングを警告 背後に政府の存在

[ロンドン/ワシントン 5日 ロイター] – 米英の国家サイバーセキュリティー組織は5日、共同声明を発表し、背後に政府がいると疑われるハッカーが研究機関や製薬会社などを攻撃し、新型コロナウイルス対応を巡る情報を不正に入手しようとしていると警告した。

警告したのは英国の国家サイバーセキュリティー・センター(NCSC)と、米国のサイバーセキュリティー・インフラセキュリティー庁(CISA)。関与が疑われる国は挙げなかったものの、米英の当局者それぞれ1人ずつが匿名を条件に、今回の警告は中国とイランのハッカーの関与が疑われる不正アクセス行為、およびロシアの関連が疑われる活動を受けたものと説明した。

イラン、中国、ロシア政府はこれまで繰り返しハッキング行為への関与を否定。むしろ自国が攻撃を受けているとしている。

NCSCとCISAは、ハッカー集団は「(所属する国の)国家優先事項に基づき、個人情報の集積、知的財産権、機密情報を収集するために攻撃を仕掛けることが多い」とし、「例えば、国家、もしくは国際レベルの医療保健政策や、新型ウイルス感染症(COVID-19)に関する機密情報などを収集しようとしている可能性がある」とした。

また、新型ウイルス感染拡大でテレワークが広まっていることを受け、セキュリティーの脆弱性が突かれている恐れがあるとも指摘した。

今回の共同声明については、ハッカー集団、および攻撃の対象になる可能性のある組織に警告するもので、特定の攻撃が新たに確認されたわけではないとした。

CISA報道官は「現在のような状況下で、COVID-19に対応している組織が攻撃の標的にされるのは特段驚くべきことではない」としている。

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