中国人権派弁護士の王全璋氏(LEO RAMIREZ/AFP via Getty Images)

王全璋氏、今後も弁護士続ける意向「冤罪に苦しむ人を助けたい」

「私は、法律の知識で冤罪撲滅を目標にしている」

2015年7月以降、中国当局により人権派弁護士らが一斉に拘束された「709事件」で、逮捕された王全璋弁護士は5月1日、北京市の自宅で大紀元の取材に応じた。中国当局が一方的に進めた裁判を振り返り、「当局こそが法律を破った」と批判した。

王弁護士は逮捕後、一時期消息不明となった。2018年2月、中国当局は「国家政権転覆罪」で王氏を起訴し、2019年1月28日に4年半の実刑判決を言い渡した。王氏は今年4月5日、刑期を終え出所した。

王全璋氏によると、中国当局は当初、「騒乱挑発罪」で同氏を起訴しようとしたが、一年以上をかけても証拠を見つけ出すことができなかった。「当局は最後、国家政権転覆罪を決めた」という。

「全くの冤罪」だと王氏は訴えた。

中国当局が起訴状で、王全璋氏に3つの罪を問うたが、同氏はすべて否認した。

一つ目は、中国当局は、王氏が「外国からの資金で」、国内で法的支援活動、弁護士の育成活動を行ったことが罪を犯したと主張した。同氏はスウェーデン人活動家のピーター・ダーリン氏らともに、香港でNGO人権団体を設立した。ダーリン氏は拘束後、罪を問われることなく国外退去処分を受けた。

二つ目は、王氏が2014年の座り込み活動に参加し、「インターネット上で政府への抵抗を煽った」とした。法輪功学習者とその代理人弁護士に対する拘束が不当だとして、同氏は黒龍江省建三江の強制労働収容所前で、他の支援者と座り込み活動に参加した。

この事件で有罪になったのは王弁護士だけだった。

三つ目は、王氏が2013年4月に法輪功学習者の代理人を務めたことが、「ネットで情報を拡散し」「中国の司法機関のイメージダウンを図った」と主張した。当時、法廷で同氏が資料を提出する前に、携帯電話で資料を撮影したため、10日間拘束された。全国100人の弁護士は連名で同氏の釈放を求めた。

王氏は、天津市第二中級人民法院(地裁)が裁判を行った際、多くのプロセスに違法行為があったと批判した。

「当局は国家機密に関わるとして、裁判を非公開にした。公開すれば、審理が進められなくなるだろう」

王全璋氏は、将来も弁護士の仕事を続けたいと語った。

「法律を武器に私の代理人を助けたい。冤罪を生み出すこのシステムを止め、無実の罪を着せられた人々の苦しみをなくしたい」

(記者・洪寧/江楓、翻訳編集・張哲)

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