モスクワ市、新型コロナ死者統計の不正否定 検視で6割が他の死因

[モスクワ 13日 ロイター] – ロシアの首都モスクワ市の当局は13日、4月に市内で死亡した新型コロナ感染者のうち、6割以上の死因を新型コロナ以外として統計上処理したと明らかにした。当局は、検視によって「極めて正確」に死因の特定をしたとし、統計の不正を否定した。

ロシアの新型コロナ感染者の累計は24万2271人と、米国に次いで世界で2番目に多い国となったが、死者数は2212人と、死亡率は世界で最も低い部類に属する。このうち、感染拡大が最も深刻なモスクワの死者数は1232人。ロシア政府は大規模な検査体制を感染者増加の理由に挙げている。

死亡率が低いことについては、死亡統計が正しくないとの懐疑的な見方が欧米などのメディアで取り沙汰されている。前週末に公表されたモスクワの4月の死亡統計で死者数が前年同月から急増したため、疑念はさらに強まった。

モスクワ市保健局は13日の声明で、4月の死者数(1万1846人)は前年同月より1841人多く、増加数は新型コロナウイルス感染症による死者数のほぼ3倍だったと認めた。しかし、新型コロナ死者数の過少報告の疑惑はきっぱりと否定した。

ロシアのゴリコバ保健相も統計の不正を否定。

モスクワ市保健局は、他の多くの国々とは異なり、ロシア政府とモスクワの当局は新型コロナが主な死因である疑いがある遺体全ての検視を実施したと説明、「それ故、モスクワでの検視と死因特定は極めて正確で、死亡統計は完全に透明だ」と強調。

死亡した新型コロナ感染者の6割強は、心臓発作やステージ4の悪性腫瘍など、新型コロナ以外の原因で死亡したのが明白だったとした。新型コロナ感染症が直接の原因だった4月のモスクワの死者は639人だったという。

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