北朝鮮、新型コロナで食料不足悪化 制裁措置の再考必要=国連

[ジュネーブ 9日 ロイター] – 国連のキンタナ北朝鮮人権状況特別報告者は9日、北朝鮮における「広範な食料不足と栄養失調」が約5カ月にわたる中国との国境封鎖と新型コロナウイルス感染拡大抑制策で悪化していると警告した。

キンタナ氏は北朝鮮について、対中貿易が3─4月に90%減少するなど新型ウイルス感染拡大で「著しい経済的な困難」に見舞われていると指摘。国連安全保障理事会に対し、食料が確実に供給されるよう、北朝鮮の核・ミサイル開発プログラムに対し導入されている制裁措置を再考するよう呼び掛けた。

同氏によると、北朝鮮では医薬品の価格が急上昇しているほか、都市部では路上生活者が増加。「多くの家族が1日2回しか食事を取れておらず、食べ物はトウモロコシだけの場合もあり、一部は飢餓にひんしている」と述べた。

その上で、北朝鮮政府に対し「いかなる制限も付けずに」人道支援を受け入れるよう要請したほか、新型ウイルス感染が拡大している間は刑務所で服役中の囚人を釈放するよう呼び掛けた。

北朝鮮では1990年半ばに発生した飢饉で300万人が死亡。同国は新型ウイルス感染者数などを巡る情報は世界保健機関(WHO)に報告していない。

国連世界食料計画(WFP)のビルス報道官は、北朝鮮の人道状況はなお厳しいと指摘。人口の40%に当たる1000万人を超える人々が人道支援を必要としており、WFPは今年は120万人に対する食料を提供するとした。

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