香港問題、深い憂慮あらためて中国に表明=官房長官

[東京 11日 ロイター] – 菅義偉官房長官は11日午前の会見で、安倍晋三首相が先進7カ国(G7)首脳会合で香港問題への共同声明を目指すと発言し中国から懸念が示されたことに対し、中国側に、日本として香港問題への深い憂慮をあらためて示したと明らかにした。G7首脳会合での香港問題への取り組みについては、考え方を共有するG7諸国との連携が重要であり引き続き関係国と緊密に連携して適切な情報発信に努めたいとしたが、その時期などには言及しなかった。

その上で、日本と中国の間にはさまざまな懸案事項があるが、首脳会談などの機会を活用して一つ一つ解決し、中国側からの前向きな対応を引き出したいとの意向を繰り返した。

東京オリンピック・パラリンピックの開催のあり方については、「国際オリンピック委員会(IOC)や大会組織委員会の間で検討が行われていると承知しており、政府としてはしっかりと見守っていきたい」と述べた。「政府として、アスリートが万全のコンディションでプレーを行い、観客にとっても安心安全な大会、すなわち完全な形での大会を開催できるよう、関係者と緊密な連携のもとにしっかりと準備を進めていきたい」との考えを示した。

また「IOCや組織委員会が(新型コロナウイルス)ワクチンの開発を大会(開催)の条件としたとの事実はないと承知しているが、感染症の世界的制圧に向けワクチンの役割は大変大きいと思っている」との認識を繰り返した。

 

中小企業長官が2017年、米テキサス州でのイベントに参加した際に、持続化給付金事業の委託を受けた「一般社団法人サービスデザイン推進協議会」業務執行理事を務める男性と飲食をともにしていたとの週刊誌報道については「飲食費は宿泊費の中から支払われ、長官も同様に支払った。特定の参加者ではなく幅広いイベントへの参加者が出席しており、何ら問題はない」と述べた。

 

(中川泉 編集:田中志保)

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