ボルトン氏回顧録、米朝首脳会談巡る記述は事実を歪曲=韓国高官

[ソウル 22日 ロイター] – 韓国大統領府の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長は22日、トランプ米政権の内幕を描いたボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)の回顧録について、米朝首脳会談に関する記述が不正確で、事実を歪曲していると指摘した。

ボルトン氏は著書の中で、3回の米朝首脳会談の前後に交わされた会話の詳細や、ベトナムで行われた2回目の会談が物別れに終わった経緯について記している。

著書は23日に出版される予定だが、すでに抜粋がメディアに掲載されている。

それによると、ボルトン氏は、南北関係の改善に意欲を示す韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「統一」という自身の課題のために、米朝両首脳との間で非現実的な期待を高めたとしている。

鄭国家安保室長は声明で、首脳レベルの協議に関するボルトン氏の記述について「正確な事実を反映しておらず、事実を著しく歪曲している」と指摘した。具体的にどの部分が不正確かには言及しなかったが、著書の出版は「危険な先例」になるとし、「相互の信頼に基づく協議の内容を一方的に公表することは外交の基本原則に反する行為で、将来の交渉に深刻な打撃を与える可能性がある」と警告した。

トランプ大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は2018年6月にシンガポールで初の首脳会談を開催。北朝鮮の非核化実現への期待が高まった。

しかし、19年初めにベトナムで行われた2回目の会談は、主要核施設を放棄する見返りに制裁の一部解除を求めた金委員長の提案をトランプ氏が拒否し、物別れに終わった。

ボルトン氏は、鄭国家安保室長から聞いた話として、文氏は金委員長の提案を拒否したトランプ氏の判断は正しいとする一方で、金委員長の核施設放棄に向けた意欲は「不可逆的な」非核化に向けた「非常に有意義な第一歩」との認識を示したとし、文大統領の見解は「統合失調症」のようだとしている。

韓国の高官はこれについて記者団に問われ、「おそらく彼がその状態なのだろう」と述べた。

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