米中の在ミャンマー大使館が批判の応酬、南シナ海問題巡り

[19日 ロイター] – 米中両国の在ミャンマー大使館は、南シナ海などの問題を巡り週末に批判の応酬を繰り広げた。米大使館が中国による近隣国の主権侵害を非難したのに対し、中国大使館は米側が中国に「激しい中傷」を浴びせ、東南アジアの国々との間に亀裂を生じさせようとしていると反論した。

米国の在ヤンゴン大使館は18日に出した声明で、中国の南シナ海と香港での行動は「近隣諸国の主権を侵害する一連の行動」の一環だと批判。さらに、ミャンマーを「債務のわな」に陥れる可能性のある同国での中国の投資事業のほか、ミャンマーから中国に花嫁として売買される女性の問題や中国からミャンマーへの違法ドラッグ密輸にも関連付けた。

「このようにして現代の主権は、たびたび失われている。劇的であからさまな行動を通じてではなく、小さな行動の積み重ねで時間をかけて主権が侵害される」とした。

中国の在ヤンゴン大使館はこれに反発、米国の在外機関は中国を抑え込むために「非常に不快なこと」を行い、「利己的かつ偽善的、卑劣で醜い顔」を見せてきたと主張。

さらに、米側は中国・ミャンマー関係の発展に「負け惜しみ」を言っているだけだとし、「国内の問題から注意をそらし、自分勝手な政治的利益を得る目的の米当局による海外での新たな茶番劇」だと批判。「米国は先ず鏡を見て、自らの姿がまだ主要国のように見えるかどうかを確認すべきだ」とした。

両大使館から、さらなるコメントは得られていない。

ポンペオ米国務長官は先週、南シナ海において中国に領海や海洋権益を侵害されたと考えている諸国を米政府が支援していく意向を示した。軍事力は行使せず、あくまで外交を通じた取り組みを念頭に置いている。

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