アングル:週末の米中閣僚級協議、「第1段階の合意」履行を再確認へ

[ワシントン/北京 14日 ロイター] – 米国と中国は15日に米中貿易交渉の「第1段階の合意」を巡り閣僚級会合をビデオ会議方式で実施する。中国の実行が大幅に遅れているにもかかわらず合意の履行を再確認することになりそうだ。

第1段階の合意は米中が2年近くに及ぶ交渉を経て1月に署名した。米政府関係者などからは、両国の緊張が高まる中でも引き続き協力できる分野の一つで、破棄されないとの声が聞かれる。

米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長は13日、トランプ政権は第1段階の合意の進捗状況に満足しているとし、「その他の問題では中国との意見の相違は大きいが、第1段階の通商合意については、われわれは履行している」と述べた。[nL4N2FF4W3]

新型コロナウイルスの流行によるロックダウン(都市封鎖)で米中の景気が悪化し、中国は米製品の購入目標の達成が難しくなっている。だが中国政府のアドバイザーらはトランプ政権が合意を破棄するとはみていない。

中国の政府系シンクタンクのエコノミストは「(両国が)席についてやりとりするのは良いことだ」と述べた上で、貿易に関して大きな進展はほとんど期待できないとの見方を示した。

第1段階の合意で中国は、米国製品の購入を2年間で2017年の水準と比べて約2000億ドル拡大することに同意した。1年目は農産物、工業製品、エネルギー、サービスなどの輸入を770億ドル拡大する計画だ。

今年は農産物の輸入を2017年から50%増やす必要があるが、これまでのところ17年の水準を下回っている。またエネルギーの購入は目標の5%にとどまっている。

15日の会合ではこうした状況をどう改善するか、あるいはどう説明するが最大の課題となる。

<合意の維持が両国にメリット>

第1段階の合意をいま破棄することはトランプ大統領にとって政治的に利点が少ないというのが通商問題の専門家の中心的な見方だ。

元USTR次席代表でPR会社サード・バービネンのマネジングディレクターを務めるミリアム・サピロ氏は「(目標は)全く現実的ではない」としながらも「現時点においてトランプ政権にとっても中国指導部にとっても合意の維持が利益となる」と述べた。

USTRの元法律顧問で現在はワシントンの法律事務所のパートナー、スティーブン・ボーン氏は合意を履行することで中国は対米関係の一段の悪化を回避できるとし、景気が回復しつつある中で米製品の購入を増やすべきと指摘。「履行しないことで中国が何を得られるのか分からない。破棄にはならないだろう」と語った。

USTRの元高官で米シンクタンク戦略国際問題研究所のシニアフェローのクレア・リード氏は今週公表した論評で、中国市場へのアクセスを求める米企業にとって第1段階の合意は一定の前進との見方を示した。

「トランプ政権が合意を維持しなければ長期間にわたる貿易戦争がもたらす痛みを正当化することは困難になる」と指摘した。

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