OPECプラス、日量230万バレルの追加減産必要=内部報告書

[モスクワ/ドバイ/ロンドン 20日 ロイター] – 石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国でつくる「OPECプラス」は、余剰生産を調整するために追加で日量231万バレル減産する必要があるという。ロイターが入手した内部報告書で明らかになった。

報告書では、5─7月の余剰生産を8─9月に調整する必要があるとされている。

OPECプラスは5月に協調減産量を日量970万バレルという過去最大規模に引き上げた後、8月から770万バレルに縮小した。

北海ブレント原油先物価格<LCOc1>は4月、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が飛行機や車の移動のほか世界各国の経済に影響を及ぼす中、1バレル=16ドルを下回った。現在も感染拡大が続いていることから原油需要の持ち直しに関する見通しに陰りが見えている。

報告書は追加減産が8月と9月にどのように配分されるかは示さなかったが、日量231万バレルの減産が2カ月間実施された場合、OPECプラスの協調減産量は約885万バレルになる。

報告書によると、OPECプラスの2020年の原油需要見通しは日量910万バレル減と、減少幅が前回予想から10万バレル拡大した。21年は需要が700万バレル増えるとみている。

ただOPECプラスは、下半期に欧州、米国、インド、中国で新型コロナ感染の第2波がより深刻で長期化する別のシナリオも想定。このシナリオでは需要は20年に日量1120万バレル減り、第4・四半期は経済協力開発機構(OECD)加盟国の商業用原油在庫が最新の5年間平均を2億3300万バレル上回る。21年の在庫は最新の5年間平均を2億5000万バレル上回る。

報告書のデータによると、OPEC加盟国の中で順守率が一番低かったのはイラクとナイジェリアだった。6月に自主的に追加減産したアラブ首長国連邦も5─7月に日量約5万バレル過剰に生産した。OPEC非加盟国ではロシアとカザフスタンが28万バレルと19万バレルそれぞれ過剰に生産した。

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