台湾、米国産牛肉・豚肉の輸入制限緩和 FTA締結を視野

[台北 28日 ロイター] – 台湾の蔡英文総統は28日、米国産牛肉・豚肉の輸入制限を緩和すると発表した。中国との緊張が高まる中、将来の米国との自由貿易協定(FTA)締結を見据えた動きとみられる。

台湾は以前から米国とのFTA締結を望んでいるが、米政府は台湾が食品安全上の懸念で導入している米国産牛肉・豚肉の輸入規制に不満を示していた。

同総統は、ラクトパミン(肥育促進剤)が残留する米国産豚肉と、月齢30カ月以上の米国産牛肉の輸入を解禁する計画を発表。

「今回の決定は台湾全体の利益と戦略的な発展目標に沿ったものだ。台湾と米国の関係強化にもつながる」とし「米国産豚肉・牛肉問題で重要な一歩を踏み出せば、台湾と米国の全面的な経済協力の重要なスタートになる」と述べた。

米国との通商協定締結には時間がかかる可能性があるが、総統は米国が「極めて重要な貿易相手国」だと表明。今回の決定は米国の大統領選とは無関係だとした。

昨年の台湾と米国の貿易総額は855億ドル。米国の対台湾貿易収支は231億ドルの赤字。台湾と米国は正式な国交がない。

米国務省のオータガス報道官は、台湾の決定を歓迎するとした上で、長年の障壁が取り除かれれば一段と大幅な経済貿易協力への道が開かれると表明した。

さらに「タイムリーな実施に期待している。これにより、米国の農家は東アジアで最も活気のある市場の一つである台湾市場への参入機会が増え、台湾の消費者にとっても高品質の米国産農畜産物を手にする機会が増える」と述べた。

*内容を追加します。

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