EU、対トルコ制裁検討 東地中海ガス田巡りギリシャと対立

[ベルリン/ブリュッセル 28日 ロイター] – 欧州連合(EU)の外相に当たるボレル外交安全保障上級代表は28日、東地中海のガス田権益を巡りトルコとギリシャの緊張が高まっている問題を巡り、EUが対トルコ制裁を検討していると明らかにした。外交筋によると、9月24日に開催される次回EU首脳会議で協議される。

トルコとギリシャは東地中海のガス田権益について、自国領域と主張する大陸棚の範囲を巡り対立。今月に入り、トルコがこの海域に探査船を派遣したことで緊張が高まった。

この問題についてEUは外相理事会を開催。議長を務めたボレル氏は記者会見で、トルコの船舶に対し欧州の港湾施設の利用禁止や供給停止などの制裁措置を導入する用意があると表明。トルコに対する経済制裁導入の可能性もあるとし、「トルコ経済が欧州経済と関連している部分に対する措置が考えられる」と述べた。

EU外交筋はロイターに対し、最終的な決定は9月24日のEU首脳会議に委ねられたとし、「首脳会議前に何も決定されることはない」と述べた。また、トルコが探索計画を縮小すれば、EU市場へのアクセスが拡大される可能性もあると述べた。

トルコ外務省は「トルコが自国の大陸棚領域内でガス田の探索を行うことについて、EUが中止を要請する権利はない」との見解を表明した。

また、トルコ大統領府は声明で、エルドアン大統領が北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長に対し、トルコはあらゆる場所での自国の権利と国益を守り続けると伝えたと発表。「国際法を無視し、地域の平和を損なう一方的な措置に対し、NATOは責任を果たさなければならない」と訴えた。

トルコはEU正式加盟候補国。EU外交筋は制裁措置の一環として、加盟候補が取り下げられる可能性もあるとしている。

*情報を追加します。

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