米上院民主、3.5億ドルの対中政策法案を公表 競争力強化などが軸

[ワシントン 17日 ロイター] – 米上院民主党は17日、中国の世界的な影響力に対抗するための独自策を公表し、米国の競争力強化や対中外交の再構築などを目的とした3億5000万ドル規模の法案を明らかにした。

上院民主党トップのシューマー院内総務ら民主党11人が法案を支持しているが、上院は与党・共和党が過半数を占めるため、成立の見通しは明らかではない。

ただ、上院外交委員会のリッシュ委員長はこの日の公聴会で、民主党案を共和党案と組み合わせて超党派的な計画ができることを期待していると発言。同委員会の民主党筆頭理事のメネンデス議員も、共和党との協力に期待を示した。

対中関係は、トランプ大統領が再選を目指す11月3日の大統領選に向けた選挙戦でも争点になっている。共和党は民主党が中国に弱腰と主張してきたが、民主党はこれに異議を唱える。

今回公表された法案「America LEADS Act of 2020」は、米教育制度に新たなリソースを振り向けるほか、同盟国や世界保健機関(WHO)のような国際機関への米国のコミットメントを強化することによって対中外交を刷新することなどを盛り込んだ。

また、香港での抗議活動や新彊ウイグル自治区でのウイグル人の扱いなどの問題に関連して貿易措置を強化し、人権を重視する政策を復活させるとした。

*内容を追加しました。

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