UAE代表団がイスラエル訪問、ネタニヤフ氏「歴史つくった」

[エルサレム 20日 ロイター] – アラブ首長国連邦(UAE)政府の代表団は20日、湾岸アラブ国として初めてイスラエルを訪問した。国交正常化合意を強固にする狙いがあり、イスラエルと米国の当局者らは歴史的な訪問だと歓迎した。一方、パレスチナは「恥ずべき」行為だと非難した。

UAEとバーレーンはトランプ米大統領が仲介する形でイスラエルとの国交正常化に合意している。

UAEの代表団はアブドラ・ビン・トゥク・アル・マリ経済相とオバイド・フマイド・アル・タイル国務相(財務担当)が率いた。ムニューシン米財務長官を含むトランプ米政権の当局者らもUAE首都アブダビから同行した。訪問は、新型コロナウイルス感染の懸念があるため、テルアビブ近郊のベングリオン空港のみに限定された。

イスラエルのネタニヤフ首相は「何世代にも語り継がれる歴史を私たちはつくった」と強調。「これほどの高いレベルのUAE代表団の来訪は、イスラエル国民や地域、全世界に友好的、平和的な通常の交流のメリットを示すことになるだろう」とした。

訪問中には、投資の推進・保護、科学と技術革新での協力、民間航空機、査証(ビザ)免除に関する4つの協定が締結された。

タイル氏はこれらの協定は「双方の経済、国民の繁栄のための素晴らしい機会」を提供していると称賛。税務や金融関係に関する協議でも既に大きな進展があったとし、「近い将来」のイスラエル当局者のUAE訪問を待ち望んでいると表明した。

一方、パレスチナ解放機構(PLO)の幹部、ワセル・アブ・ユセフ氏はイスラエルが入植地を拡大する中でのUAE代表団の訪問は「恥ずべき」だと非難した。

ムニューシン氏は「歴史的な機会」が生まれたとし、「経済的繁栄が大きくなればなるほど、安全保障がより強固になる」と強調した。

イランへの懸念を抱く地域の大国が再編されている状況を反映し、ムニューシン氏はイスラエル、UAE、米国は「同地域の脅威と機会に関して同様の見通しを共有している」と述べた。

同行した米国際開発金融公社(DFC)トップのアダム・ボーラー氏は同3国が民間部門の投資と地域の協力を促進するために基金を設置すると明らかにした。当初は30億ドルの調達を見込んでいるという。

この基金によりイスラエルがパレスチナ人の通行を管理するために設けている検問所の近代化が可能になるとした。パレスチナ側は検問所が生活と労働を妨害していると批判している。

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