米、過去1週間で約50万人がコロナ感染 中西部中心に拡大

[シカゴ 27日 ロイター] – 米国で確認された新型コロナウイルス新規感染者数が過去7日間で50万人近くに達したことが、ロイターの集計で分かった。中西部のホットスポット(大流行地)で新規感染者数や入院者数が過去最多を更新している。

過去1週間の死者数は全米で5600人を超え、入院者数は13%増加した。

来週の米大統領選で激戦州とされるペンシルベニア州やウィスコンシン州などで感染状況が悪化しており、ペンシルベニア州ではこの日、新規感染者数が過去最多となった。ウィスコンシン州でも、新規感染者と死者がともに過去最多を更新し、州当局は住民に外出自粛やマスク着用、旅行や集会の中止を呼び掛けた。

ウィスコンシン州の保健当局者は記者会見で、濃厚接触者の追跡が追い付かない状況にあり、医療機関は近く人員不足に陥る可能性があると警告。「状況は改善する前に悪化するだろう」と述べた。

トランプ大統領は、感染拡大を伝える報道を批判し、新型コロナとの闘いは「角を曲がりつつある」と改めて主張。ホワイトハウスで記者団に対し、政権は「パンデミック(世界的大流行)対応で素晴らしい仕事をした」と述べ、人工呼吸器など医療機器の生産やワクチン、治療薬開発に取り組んでいると強調した。

ここ数週間でホットスポットとなっているイリノイ州は、過去7日間の新規感染者が3万1000人以上に上った。プリツカー知事は、感染抑制に向け、同州11地域中7地域で新たな制限措置を導入した。シカゴでは、30日からバーやレストランでの屋内飲食が禁止されるほか、集会人数が25人までに制限される。他の地域では制限導入が既に始まっている。

中西部以外でも、感染拡大抑制に向けて経済再開を見直す動きが出ている。

アイダホ州のリトル州知事は26日、50人以上の屋内集会を禁止するほか、屋外集会では収容人数の25%に制限すると発表した。

テキサス州のエルパソ市も感染者の急増に直面しており、当局は医療機関の負担軽減に向け代替医療施設を設置している。

また、コロラド州デンバーのハンコック市長は、感染拡大抑制に向けた制限措置を一部再導入すると表明。レストランや商店、オフィスの収容人数を制限するほか、屋内の集会は25人以下、屋外は75人以下とする。

同州では前日、新規感染者数が最多を記録。過去2週間の入院者数は60%増加したほか、コロナ検査の陽性率は今月に入り、7%を超えている。

*内容を追加して再送します。

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